介護福祉士 過去問 2015
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人間の尊厳と自立(2問)
1956年(昭和31年)当時、肺結核(pulmonary tuberculosis)で国立療養所に入所していた朝日茂氏は、単身で無収入だったために生活扶助(月額600円支給)と医療扶助を受けていた。長年、音信不通だった兄を福祉事務所が見つけ、兄から月1,500円の仕送りが行われることになった。これにより福祉事務所は支給していた月額600円の生活扶助を停止し、医療費の一部自己負担額として月900円の負担を求めた。このことが日本国憲法第A条に反するものとして朝日茂氏は、1957年(昭和32年)、厚生大臣の決定を取り消すことを求める訴訟をおこした。
この訴訟で焦点となった日本国憲法第A条が規定する権利として、正しいものを一つ選びなさい。
1。参政権
2。自由権
3。請求権
4。生存権
5。平等権
「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
(注)1 「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
2 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
1。「障害者総合支援法」の基本的な理念のもと、障害者の差別の解消を具体的に実施するためのものである。
2。障害者を身体障害、知的障害および精神障害のある者に限定している。
3。行政機関に対して、障害者に対する合理的配慮を法的義務としている。
4。差別について具体的に定義し、その解消に向けた措置等を定めている。
5。この法律以前に、障害を理由とする差別や不利益な取り扱いの禁止について定めた条例を制定した地方公共団体は存在しない。
人間関係とコミュニケーション(4問)
ラポール形成の初期段階のかかわりとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。利用者の感情に関心を持つ。
2。利用者の家族環境を詳しく聞く。
3。介護福祉職が詳しく自己紹介する。
4。黙って聴くことに徹する。
5。「なぜ」で始まる質問を繰り返す。
Aさん(83歳、男性)は介護予防通所介護(デイサービス)を利用し始めた。重度の加齢性難聴(presbycusis)がある。これまで補聴器を使った経験はない。コミュニケーション意欲は高く、介護福祉職とやり取りすることを好む。認知症(dementia)はない。
介護福祉職がAさんと日常のやり取りを始めるときの、コミュニケーション方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。Aさんはイラストを多用したコミュニケーションノートを使う。
2。Aさんは挿耳型補聴器を一日じゅう使う。
3。Aさんも介護福祉職も五十音表の文字盤を使う。
4。Aさんは話し、介護福祉職は筆談と併せて発語も行う。
5。Aさんは携帯用会話補助装置を使い、介護福祉職は話す。
セルフヘルプグループ(self-help group)の目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。療養上の管理指導を行う。
2。専門的知識を提供する。
3。自助具を作成する。
4。就労移行支援の窓口になる。
5。課題を共有する。
Eさん(80歳、男性)は、介護老人保健施設に入所して3か月になる。最近、夜間に大声で介護職員を呼び、介護職員が駆けつけると、「何でもない」と返事をすることが繰り返されている。そこでF介護福祉職は、Eさんの行動の意味やその背景にある気持ちを把握するため 、Eさんの話を聞いた。Eさんは、「夜になって、一人でこれからのことを考えているとつらい気持ちになって、つい職員さんを呼んでしまうのです。でも職員さんが来てくれると、結局何も言えなくなってしまうのですよ。いつも申し訳ないと思ってはいるのですが」と話した。F介護福祉職は、Eさんの了解のもと、その内容とその意味するところを他の介護職員に会議の場で伝えた。
会議の場でのF介護福祉職の支援行動の意味として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。利用者本位
2。プライバシーの保護
3。総合的なサービスの提供
4。利用者ニーズの代弁
5。後継者の養成
社会の理解(12問)
民生委員の委嘱に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。都道府県知事の推薦によって厚生労働大臣が委嘱する。
2。更正援護に熱意と見識をもっている者の中から都道府県知事が委嘱する。
3。地域の自治会または町内会の役員から市町村長が委嘱する。
4。市町村社会福祉協議会の推薦によって都道府県社会福祉協議会会長が委嘱する。
5。児童福祉法による児童委員に委嘱することは禁じられている。
社会福祉法人に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。社会福祉法人の設立許可は、市長、都道府県知事または厚生労働大臣が行う。
2。社会福祉法人は、社会福祉事業以外の事業の実施が禁じられている。
3。社会福祉法人の監事は、その法人の理事や職員を兼ねることができる。
4。社会福祉法人は、解散することや合併することが禁じられている。
5。社会福祉事業を行う特定非営利活動法人(NPO法人)は、社会福祉法人の名称を使用できる。
国家が国民に保障する最低限度の生活水準を表す用語として、正しいものを1つ選びなさい。
1。リハビリテーション
2。エンパワメントアプローチ(empowerment approach)
3。ナショナルミニマム(national minimum)
4。ソーシャルインクルージョン(social inclusion)
5。ウェルビーイング(well-being)
社会福祉の推移に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
(注)1 「障害者総合支援法」とは「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
2 「高齢者虐待防止法」とは「高齢者虐待の防止、「高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
1。1980年代の初めに社会福祉の基礎となる福祉六法体制が確立された。
2。1981年(昭和56年)の国際障害者年は、ノーマライゼーション(normalization)の理念を社会に広める契機となった。
3。1990年(平成2年)に社会福祉事業法が社会福祉法に改正された。
4。2003年(平成15年度)に「障害者総合支援法」が施行された。
5。2008年(平成20年度)に「高齢者虐待防止法」が施行された。
介護保険制度の動向に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。介護保険法の制定に併せて、老人福祉計画策定等を盛り込んだ福祉八法改正(1990年(平成2年))がなされた。
2。介護保険法の制定後、その実施促進のために高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)が策定された。
3。2005年(平成17年)の介護保険法改正によって、介護予防を重視した制度見直しが行われた。
4。2009年(平成21年)の要介護の認定者数は、2001年(平成13年)に比べ大きく減少した。
5。2011年(平成23年)の介護保険法改正によって、地域包括支援センターが創設された。
介護保険の被保険者に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。40歳以上65歳未満の医療保険加入者は、住所のある市町村の被保険者になる。
2。自宅の住所と違う自治体にある介護保険施設に入所して住所変更をした場合は、変更後の市町村の被保険者になる。
3。他の市町村に住所を変更した場合、年度中は転出前の市町村の被保険者の資格を継続する。
4。第1号被保険者の資格の取得および喪失に関する事項は、被保険者本人が市町村に届け出なければならない。
5。他の都道府県に住所を変更した場合、転出前の都道府県に変更届を提出しなければならない。
各専門職とその業務に関する次の組み合わせのうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。社会福祉士 ― 医療行為の実施
2。介護福祉士 ― 訪問介護(ホームヘルプサービス)の提供
3。介護支援専門員(ケアマネジャー)― 地域包括支援センターでの権利擁護
4。主任介護支援専門員 ― 市町村での介護保険被保険者証の交付
5。医師 ― 介護給付でのケアプラン作成
Bさん(40歳、男性)は精神科病院に10年間入院している。ある日、病院職員に地域で暮らしたいと申し出た。そこで病院職員はBさんと一緒に、地域相談支援を行っている事業所のC職員と面談をすることになった。
C職員の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。Bさんに地域で生活することの苦労を説明する。
2。Bさんに地域の情報提供をしながら希望を確認する。
3。最初に地域移行支援計画の作成を行う。
4。地域移行を進めるためのケア会議は、C職員と病院職員で構成する。
5。地域移行した後のモニタリング(monitoring)は不要である。
「障害者総合支援法」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
1。法律の目的には、障害児の保護者の所得保障が規定されている。
2。障害者の年齢を20歳以上と規定している。
3。知的障害者や精神障害者の場合は、その家族が支給決定の申請をすることとしている。
4。障害児の障害支援区分認定のための調査は、保護者の申告があれば行わなくてもよい。
5。障害支援区分の審査および判定を行う場合、市町村審査会は、その対象となる障害者の家族に意見を聴くことができる。
次の図は、国際リハビリテーション協会が定めた、「障害者のための国際シンボルマーク」である。このマークに関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。
1。障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すためのものである。
2。このマークは車いす利用者だけが使用できる。
3。障害者が運転する自動車には、このマークを表示することが義務づけられている。
4。マークについての使用指針はなく、障害者への配慮があれば使用できる。
5。マークのない建物、施設は障害者への利用を制限できる。
権利擁護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。法定後見開始の申立てができるのは、利用者本人とその配偶者に限られている。
2。任意後見制度では、利用者本人による任意後見人の選定を認めている。
3。日常生活自立支援事業の対象者は、認知症高齢者で判断能力が不十分な者に限られている。
4。日常生活自立支援事業では、公共料金の支払いの支援は対象から除かれている。
5。映像や音声の情報は、医療・介護関係事業者の個人情報保護の対象ではない。
市町村保健センターに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。各市町村に設置することが義務づけられている。
2。児童と家庭について医学的、心理学的、教育学的、社会学的および精神保健上の判定を行う。
3。知的障害者の医学的、心理学的および職能的判定を行う。
4。住民に対して、健康相談、保健指導および健康診査その他地域保健に関する必要な事業を行う。
5。保護を要する児童の一時保護を行う。
こころとからだのしくみ(12問)
記憶に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。短期記憶では、膨大な情報の貯蔵が可能である。
2。記憶には、記銘と保持と想起の3つの過程がある。
3。手続き記憶とは、自分に起こった出来事に関する記憶である。
4。エピソード記憶とは、一般的な知識についての記憶である。
5。記憶の処理は、中脳で行われる。
関節運動とその主動作筋(主として働く筋肉)の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。
1。肩関節外転 ― 上腕二頭筋
2。手関節屈曲 ― 上腕三頭筋
3。股関節屈曲 ― 腸腰筋
4。股関節伸展 ― 腹直筋
5。足関節伸展 ― 下腿三頭筋
糖尿病(diabetes mellitus)のある人の身支度の介護で、異変の有無について特に観察すべき部位として、適切なものを1つ選びなさい。
1。毛髪
2。耳介
3。鼻腔
4。手指
5。足趾(指)
廃用症候群(disuse syndrome)として、正しいものを1つ選びなさい。
1。筋肥大
2。高血圧
3。頻脈
4。褥瘡
5。躁病(mania)
誤嚥を防止している部位として、正しいものを1つ選びなさい。
1。甲状軟骨
2。口蓋垂
3。喉頭蓋
4。口蓋扁桃
5。食道
食事のたんぱく質制限が必要な疾患として、正しいものを1つ選びなさい。
1。胃潰瘍(gastric ulcer)
2。尿毒症(uremia)
3。痛風(gout)
4。脂質異常症(dyslipidemia)
5。狭心症(angina pectoris)
入浴による静水圧の直接的な作用として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。毛細血管の拡張
2。関節への負担の軽減
3。下肢のむくみの軽減
4。体重による負担の軽減
5。老廃物の排泄の促進
弛緩性便秘の原因として、正しいものを1つ選びなさい。
1。大腸の蠕動運動の低下
2。過敏性腸病症候群(irritable bowel syndrome)
3。自律神経の失調
4。排便反射の低下
5。大腸がん(colorectal cancer)
多尿の原因として、正しいものを1つ選びなさい。
1。脱水
2。副交感神経優位
3。前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)
4。ビタミンC(vitamin C)の過剰摂取
5。糖尿病(diabetes mellitus)
睡眠に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。ヒトは下垂体に体内時計がある。
2。抗ヒスタミン薬は覚醒作用がある。
3。睡眠は深さよりも長さが重要となる。
4。レム睡眠は30分ごとに繰り返し出現する。
5。最も深い眠りの段階はノンレム睡眠である。
睡眠障害に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。入眠障害とは、眠りが浅く途中で何度も目が覚めることである。
2。レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome)は、早朝覚醒の原因となる。
3。睡眠が不足すると、副交感神経が活発になる。
4。肥満は、睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)の原因となる。
5。周期性四肢運動障害は、睡眠中に大声の寝言や激しい動作を伴う。
Fさん(72歳、男性)は数か月前から食欲不振があり、体重も減少した。市内の総合病院を受診したところ、末期の胃がん(gastric cancer)と診断され、緩和医療を受けることを勧められた。
Fさんの今の心情を、キューブラー・ロス(Kubler-Ross,E.)の提唱した心理過程の第一段階に当てはめた表現として、適切なものを1つ選びなさい。
1。「病気を治すためなら、財産を全部使ってもいい」
2。「なぜ私だけが病気になって、死ななければならないのか」
3。「診断は何かの間違いでとても信じられない」
4。「死は誰にでも訪れる自然なことだから、受け入れよう」
5。「末期がんなら、何をしてもどうせ無駄だ」
発達と老化の理解(8問)
A君は、積み木を飛行機に見立ててB君と遊んでいた。大人がA君とB君の目の前で、おやつのジュースを一人150mlずつになるように計った。しかし、同じ大きさのコップがなかったので、それぞれ形の違うコップに入れて与えた。A君にジュースを入れたコップを渡したところ、A君は「B君のほうが量が多い」と言って泣き出した。
ピアジェ(Piaget,J.)によるA君の認知発達段階として、適切なものを1つ選びなさい。
1。形式的操作期
2。感覚運動期
3。前操作期
4。再接近期
5。具体的操作期
プロダクティブ・エイジング(productive aging)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。バルテス(Baltes,P.)が最初に提唱した。
2。高齢者の経済的自立を目指した概念である。
3。エイジズム(ageism)による高齢者のとらえ方を肯定した概念である。
4。主観的幸福感とは無関係である。
5。プロダクティブ(productive)な活動には、セルフケア(self-care)が含まれる。
老年期の精神疾患(mental disease)と精神症状に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。老年期うつ病(senile depression)は、若年者のうつ病(depression)と比べて抑うつ気分が軽い。
2。アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)は、脳の器質的変化を伴わない。
3。うつ病(depression)等で自殺を試みた高齢者が死に至る率は、若年者の場合と比べて低い。
4。せん妄(delirium)は夜間よりも昼間に生じやすい。
5。老年期に発病した統合失調症(schizophrenia)は、妄想型が少ない。
死別直後の遺族の心理に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。周囲からのサポートに関係なく、死別後の生活に適応する。
2。悲嘆の経験は、心身に影響を及ぼさない。
3。悲嘆のプロセスは、多くの人で同じように進む。
4。十分に悲しむことが、悲嘆を乗り越えるために有効である。
5。遺族の心理的ケアは、緩和ケアに含まれない。
脱水時の状態として、正しいものを1つ選びなさい。
1。除脈(じょみゃく)
2。血圧の上昇
3。皮膚緊張の増加
4。めまい
5。体重の増加
じょく瘡の発生部位として、最も頻度の高いものを1つ選びなさい。
1。大転子部
2。肩甲骨周辺
3。仙骨部
4。踵部
5。肘関節
高齢者の肺炎(pneumonia)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
(年度更新により問題改訂)
1。令和2年(2020年)における日本の高齢者(65歳以上)の死因順位で第一位である。
2。インフルエンザ(influenza)に合併することはまれである。
3。初発症状は高熱である。
4。呼吸数は減少する。
5。誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)の予防には口腔ケアが有効である。
パーキンソン病(Parkinson disease)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。40歳代で発症することが最も多い。
2。突進現象が認められる。
3。筋肉の異常が原因である。
4。認知症(dementia)を合併することはまれである。
5。発病後5年以内に死亡することが多い。
認知症の理解(10問)
イギリスの心理学者キットウッド(Kitwood,T.)が提唱した、「パーソン・センタード・ケア(person-centred care)」の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。認知症(dementia)の人の行動・心理症状(BPSD)を無くすこと
2。認知症(dementia)の人を特別な存在として保護すること
3。認知症(dementia)の人のケアマニュアル(care manual)をつくること
4。認知症(dementia)の人の「その人らしさ」を支えること
5。認知症(dementia)という病気を治療すること
認知症高齢者の日常生活自立度判定基準「ランクⅢ」の内容として、正しいものを1つ選びなさい。
1。日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。
2。著しい精神症状や周辺症状あるいは重篤(じゅうとく)な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。
3。室内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが座位を保つ。
4。日常生活に支障を来すような 症状・行動や意思疎通の困難さがときどき見られ、介護を必要とする。
5。何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する。
認知症(dementia)と比較した場合のせん妄(delirium)の特徴として、正しいものを1つ選びなさい。
1。ゆるやかに発症する。
2。徐々に進行、悪化していく。
3。覚醒水準の低下を伴うことは少ない。
4。幻覚を伴うことは少ない。
5。日内変動を認めることが多い。
早期発見で改善が可能な認知症(dementia)として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)
2。クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)
3。前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)
4。血管性認知症(vascular dementia)
5。レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)
認知症の行動・心理症状(BPSD)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。親しい人がわからない。
2。言葉を口に出すことができない。
3。十分に寝ることができない。
4。トイレの水を流すことができない。
5。数の計算ができない。
認知症(dementia)による実行機能障害に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。いつもと違うことがあると混乱して自然な行動ができない。
2。計画を立てて段取りをすることができない。
3。交通機関の自動改札機をスムーズに通れない。
4。2つ以上のことが重なるとうまく処理できない。
5。新しいことや大切なことが覚えられない。
前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)の人によく見られる症状に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。社会ルールや常識的な規範が分からなくなる。
2。動作が緩慢で動きがぎこちない。
3。ちょっとしたことで泣いたり笑ったりする。
4。現実的で具体的な幻視がある。
5。料理の手順が分からなくなる。
ふりかけをかけたご飯を、「アリがたかっているから食べられない」と訴えるレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の人への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。落ち着いて口に入れてみることを勧める。
2。「アリはいません、おなかが空くので食べてください」と促す。
3。「好きなものがありましたよ」と好物を示して食事を勧める。
4。通常のご飯に取り替えて、「もう大丈夫でしょうか」と食事を勧める。
5。「おなかが空いていないのなら、無理して食べなくてもいいですよ」と下膳する。
認知症サポーターに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。認知症(dementia)の人やその家族を見守り、支援する。
2。10万人を目標に養成されている。
3。認知症介護実践者等養成事業の一環である。
4。認知症ケア専門の介護福祉職である。
5。国が実施主体となって養成講座を行っている。
Cさん(83歳、女性)は、昨年、夫を亡くしてから一人暮らしをしている。ここ半年ほど自宅に閉じこもっていることが多く、他者との交流が減っている。一人息子は、他県で家庭を築いている。以前、夫が利用していた通所介護(デイサービス)事業所に、ある日、Cさんから次のような電話が入った。「物忘れが多くなり、心配になって受診したところ軽度認知障害(mild cognitive impairment)だと言われた。認知症(dementia)で判断が出来なくなる前に、いろいろ整理しておきたい。夫も先に逝っていることだし、運命を静かに受け入れようと思う」
電話を受けた介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。心配ないから気にしないように励ます。
2。他県に住む息子と同居することを勧める。
3。成年後見制度を紹介する。
4。居宅介護サービスの利用を勧める。
5。地域包括支援センターを紹介する。
障害の理解(10問)
身体障害の種類とその状態の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。聴覚障害 ― 嚥下障害
2。肢体不自由 ― 構音障害
3。平衡機能障害 ― 意識障害
4。内部障害 ― 呼吸器機能障害
5。視覚障害 ― 半側空間無視
ノーマライゼーション(normalization)の理念に通じる制度や事業に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)1「バリアフリー新法」とは「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」のことである。
2「育児・介護休業法」とは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」のことである。
1。「バリアフリー新法」の制定
2。救急医療体制の整備
3。国民皆年金の実現
4。大規模な障害者入所施設の整備
5。「育児・介護休業法」の制定
統合失調症(schizophrenia)の陰性症状に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。感情の動きが乏しくなる。
2。誰かに支配されているような感覚を抱く。
3。あるはずのない声が聞こえる。
4。危険な状態にあると思いこみ、強い不安や敵意を抱く。
5。話の内容が徐々に変わり、まとまりが少ない。
高次脳機能障害(higher brain dysfunction)の原因疾患として、正しいものを1つ選びなさい。
1。ダウン症候群(Down’s syndrome)
2。アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)
3。自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)
4。統合失調症(schizophrenia)
5。脳炎(encephalitis)
知的障害者に対する支援方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。本人のいないところで、本人のことを決める。
2。子供に接するようにかかわる。
3。失敗経験をさせないように先回りをする。
4。何かを伝えるときは、言葉だけでなく身振りや絵などを使う。
5。社会的マナーに違反したときは、時間がたってから注意する。
関節リウマチ(rheumatoid arthritis)の人の関節保護の方法として、適切なものを1つ選びなさい。
1。コップは片手で持つ。
2。荷物は指先で持つ。
3。ドアの取っ手は丸いものを使う。
4。便器に補高便座をのせる。
5。就寝時には高い枕を使う。
適応機制の1つである「昇華」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。認めたくない欲求を心の中に抑え込んでしまおうとする。
2。名声や権威に自分を近づけることで、自分の価値を高めようとする。
3。自分に都合の良い理由をつけて、自分を正当化しようとする。
4。発達の未熟な段階に後戻りして自分を守ろうとする。
5。直ちに実現できない欲求を、価値ある行為に置き換えようとする。
上肢リンパ浮腫のある人が日常生活で心がけることとして、適切なものを1つ選びなさい。
1。手袋をしないで庭の手入れをする。
2。体重の増加を防ぐ。
3。患側で血圧を測定する。
4。サウナ浴を行う。
5。きつめの肌着を着る。
Dさん(38歳、女性)は、知的障害があり、障害者支援施設で生活保護を受けながら生活している。ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)は自立しているが、家事や金銭管理に援助が必要な状況である。家族から経済的・精神的な支援は期待できない。
ある日、Dさんから、「仕事はできないけれど、ここから出て暮らしてみたい」という希望があり、検討することになった。
Dさんの地域生活を実現するための支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。指定一般相談事業者の利用を勧める。
2。発達障害者支援センターに支援計画の作成を依頼する。
3。行動援護の支給申請を行う。
4。就労移行支援の利用を勧める。
5。地域包括支援センターに支援を要請する。
Eさん(35歳、女性)は、出産時に脳出血(cerebral hemorrhage)を起こした。現在は片麻痺で車いすを利用し、高次脳機能障害(higher brain dysfunction)による注意障害を持ちながら、乳児を育てている。このようなEさんに対して、多職種による支援が行われることになった。
Eさんにかかわる専門職とその支援内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。社会福祉主事が家事援助サービスを提供する。
2。保健師が子育て相談を行う。
3。身体障害者福祉司が治療体操を行う。
4。知的障害者福祉司が精神障害者福祉手帳の申請を行う。
5。介護支援専門員(ケアマネジャー)がサービス等利用計画を作成する。
医療的ケア(5問)
大腸で吸収されるのはどれか、適切なものを1つ選びなさい。
(問題数調整のため、第109回看護師より出題)
1。脂質
2。水分
3。糖質
4。蛋白質
5。水溶性ビタミン
中心静脈栄養法で高カロリー輸液を用いる際に、起こりやすい合併症はどれか。最も適切なものを1つ選びなさい。
(問題数調整のため、第109回看護師より出題)
1。高血圧
2。高血糖
3。末梢静脈炎
4。正中神経麻痺
5。低血圧
エストロゲン低下によって更年期の女性に起こるのはどれか、適切なものを1つ選びなさい。
(問題数調整のため、第109回看護師より出題)
1。骨量の増加
2。内臓脂肪の減少
3。倦怠感
4。脳血流量の増加
5。HDLコレステロールの上昇
Aさん(78歳、男性)は、妻(75歳)と2人暮らし。脳梗塞(cerebral infarction)の既往がある。妻から「最近、夫は食事をむせずに食べることができるが、口の中に食べ物が残っていることが多い。夫の食事について助言が欲しい」と訪問看護師に相談があった。妻への訪問看護師の助言で適切なのはどれか。適切なものを1つ選びなさい。
(問題数調整のため、第109回看護師より出題)
1。「食事にとろみをつけましょう」
2。「自助具を使って食事をしましょう」
3。「口に入れる1回量を少なくしましょう」
4。「食事を細かくきざみましょう」
5。「食事前に舌の動きを促す運動をしましょう」
Aさんは排尿コントロールについて「脳梗塞になってから、尿意を感じるとがまんできずに大量の尿が漏れてしまう。1日に何回も漏らす」と看護師に話した。Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。適切なものを1つ選びなさい。
(問題数調整のため、第109回看護師より出題)
1。過活動膀胱
2。腹圧性尿失禁
3。溢流性尿失禁
4。機能性尿失禁
5。前立腺全摘除術の後遺症
介護の基本(10問)
介護福祉士制度が創設された背景にあるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。高齢化率が14%を超えて、高齢社会になった。
2。介護保険法が制定されて、新しい介護サービス提供の仕組みが創設された。
3。日本学術会議が、介護職員の専門性と資格制度についての意見を出した。
4。特別養護老人ホームの制度ができて、介護職員が必要になった。
5。高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)の策定によって、介護サービスの拡充が図られるようになった。
2019年(令和元年)の「国民生活基礎調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
(年度更新により問題改訂)
1。65歳以上の者のいる世帯の場合、世帯構造別の構成割合は「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」を合わせても半数以下である。
2。65歳以上の者のいる世帯の場合、世帯構造別の構成割合は「三世代世帯」が半数を超えている。
3。主な介護者が同居の家族の場合、「子の配偶者」が主な介護を担う割合は、「配偶者」、「子」を上回っている。
4。主な介護者が同居の家族の場合、その介護者の年齢は、男女共に60歳以上の割合が半数以上を超えている。
5。要介護者等と同居する主な介護者のうち、男性の割合は1割程度である。
介護福祉士に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。介護福祉士の資格は、業務独占の資格である。
2。介護福祉士の資格は、更新制である。
3。介護福祉士になるには、都道府県知事に申請し登録しなければならない。
4。介護福祉士は、介護等に関する知識や技術の向上に努めなければならない。
5。刑事罰に処せられた者は、どのような場合も介護福祉士になれない。
施設利用者の生活の質(QOL)を重視した介護福祉の実践として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。利用者の身体的側面だけでなく、心理的・社会的な面も含む支援を行う。
2。利用者の生活時間を職員の業務時間に合わせる。
3。利用者が疲れないように食事時間は1時間と定める。
4。利用者の居室環境の整備を最優先する。
5。利用者のニーズは画一的なものとして支援する。
Dさん(42歳、男性)は、営業の仕事をしていた。休日に趣味のサイクリングの最中、交通事故に遭った。脊髄を損傷し、対麻痺の状態になり、車いすで移動する生活になった。
Dさんに関する次の記述のうち、ICF(国際生活機能分類)における「心身機能・身体構造」と「活動」の関係を示すものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1。移動に車いすを使う生活になり、退職することになった。
2。上肢は自由に動かせる状態であり、車いすで移動できるようになった。
3。玄関の周りをバリアフリーにすることで、一人で外出できるようになった。
4。サイクリングの楽しさを忘れられず、車いすマラソンに取り組む準備を始めた。
5。脊髄損傷のために、排尿コントロールが困難になった。
介護を必要とする人の個別性・多様性を意識した対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。性別をもとに、衣類の色やデザインを選ぶ。
2。年齢をもとに、生きてきた時代を考え体験談を聞く。
3。障害特性をもとに、施設で暮らすことを勧める。
4。家族構成をもとに、人格的な特徴を判断する。
5。所得をもとに、レクリエーションの内容を考える。
障害基礎年金に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。20歳未満の障害者であれば、本人の所得に関係なく受給できる。
2。20歳以上の障害者であれば、申請することで受給できる。
3。障害基礎年金で生活できない場合、申請すれば特別障害給付金を受給できる。
4。障害の程度・等級にかかわらず、支給額は一律である。
5。18歳未満の子がいる障害基礎年金受給者には、子の人数に応じた加算がある。
ユニットケアの理念に基づく望ましい生活環境として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。4名以上の利用者が1つの居室で生活する。
2。1ユニットの利用者は、20名程度で構成する。
3。利用者相互の交流は、同じユニット内に限定する。
4。廊下に向かって横並びに居室を配置する。
5。ユニットを担当する職員は、一定期間固定して配置する。
居宅サービスのケアマネジメント過程で、介護支援専門員(ケアマネージャー)と連携するサービス提供責任者の役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。1か月に1回は利用者の居宅を訪問して、面接を行う。
2。利用者の希望があれば、居宅サービス計画の変更を行う。
3。居宅サービス計画に基づいて、訪問介護計画を作成する。
4。サービス担当者会議を招集する。
5。利用者がほかに利用している介護サービスの実施状況についてモニタリング(monitoring)を行う。
地域で高齢者虐待防止ネットワーク構築の中心になる機関として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。福祉事務所
2。老人福祉施設
3。民生委員協議会
4。警察署
5。地域包括支援センター
コミュニケーション技術(6問)
車いす操作の安全性に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。車いすの点検は介護福祉職が気づいたときに行う。
2。ブレーキが利きやすいように空気圧を下げる。
3。利用者が乗っている車いすを2台同時に押す。
4。ドアを片手でおさえながら、利用者の車いすを押す。
5。急勾配のスロープを降りるとき、車いすは後ろ向きにする。
内閣府が2010年(平成22年)に実施した「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」の「自宅における転倒事故」に関する回答の中で、転倒が最も多かった場所として、正しいものを1つ選びなさい。
1。玄関・ホール・ポーチ
2。居間・茶の間・リビング
3。庭
4。便所
5。浴室
疥癬(scabies)とその対策に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。マダニが皮膚に寄生することで発生する皮膚病である。
2。感染した皮膚に変化が見られない。
3。感染した利用者は他の利用者と同室でよい。
4。感染した利用者の衣類や寝具の洗濯は他の利用者のものと一緒でよい。
5。感染した利用者の入浴は順番を最後にする。
Gさん(30歳、女性)は介護福祉職として介護老人福祉施設で働いてから1年が経過した。最近、夜勤で初めて利用者の看取りを行い、無力感を経験した。その後、気持ちの落ち込みがあり、仕事にも支障が出そうになった。
Gさんへの職場の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。看取りのケアについてチームで話し合いをする。
2。Gさんの好きなものをプレゼントする。
3。気持ちが楽になるように、親睦会を開く。
4。看取りの経験を忘れるように、しばらく夜勤を免除する。
5。仕事に支障が出そうになったので、長期休暇を取ってもらう。
バイステック(Biestek ,F.)の7原則を介護場面に適用したときの記述として、適切なものを1つ選びなさい。
1。「個別化」とは、利用者に具体的な指示を出すことである。
2。「意図的な感情表出」とは、介護福祉職の感情表出を大切にすることである。
3。「統制された情緒的関与」とは、利用者の感情をコントロールしてかかわることである。
4。「受容」とは、利用者の同意を得ることである。
5。「非審判的態度」とは、介護福祉職の価値観で評価せずに利用者にかかわることである。
介護福祉職が利用者とコミュニケーションを図るときの基本として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。緊張感が伝わるように、背すじを伸ばして接する。
2。愛称で呼んで心理的距離を近づける。
3。自分の意見と違っても賛同する。
4。利用者の言葉に感情的に反応する。
5。利用者の主観的な訴えに耳を傾ける。
生活支援技術(26問)
利用者と家族が対立しているとき、介護福祉職の初期の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。両者がそれぞれの思いを語り合う場をつくる。
2。どちらが正しいか、専門職としての判断を伝える。
3。他の家族の解決例を紹介する。
4。利用者の判断が間違っている場合、家族の判断を支持する。
5。専門職としての役割を果たすために、責任を持って一人で対応する。
Hさん(80歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断されており、複数の話題や複雑な内容を理解することは困難である。いつも同じ話を繰り返している。
Hさんが同じ話を繰り返すときの介護福祉職のかかわり方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。時間の流れに沿って、話すように伝える。
2。新しい話題を提供する。
3。話の内容に沿った会話をする。
4。ゆっくり、はっきり話すように伝える。
5。途中で話を中断する。
行動・心理症状(BPSD)のある認知症(dementia)の人への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。「何もやる気がしない」に対して、励ます。
2。「失敗しそうで怖い」に対して、かかわりを少なくする。
3。「財布を盗まれた」に対して、利用者と話し合う。
4。「亡くなった人が立っている」に対して、受容する。
5。「夫が呼んでいるので家に帰りたい」に対して、帰らないように指示する。
介護福祉職が行う報告に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。状況を詳細に述べてから結論を報告する。
2。自分の主観的意見を中心に報告する。
3。報告の内容にかかわらず、報告のタイミングは上司の都合に合わせる。
4。指示を受けた仕事の報告は、指示者へ行う。
5。抽象的な表現に整理して報告する。
J介護福祉職は介護老人福祉施設で勤務して1年目である。担当利用者Kさんの家族が面会に来た時に、「衣服が散らかっているから整理して欲しい」と言われた。J介護福祉職は自分の判断で衣服の整理を行った。その1週間後、Kさんの家族から、「まだ十分に整理できていない」と苦情を受けた。J介護福祉職にとっては初めての苦情であった。J介護福祉職は上司に報告した。
J介護福祉職が上司に報告する内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。Kさんの最近の日常生活のこと
2。衣服の整理の仕方に問題がないこと
3。自分が責任を持って苦情処理すること
4。苦情を受け、まだ解決していないこと
5。衣服の散乱は、Kさんの認知症(dementia)の悪化が原因だということ
J介護福祉職は介護老人福祉施設で勤務して1年目である。担当利用者Kさんの家族が面会に来た時に、「衣服が散らかっているから整理して欲しい」と言われた。J介護福祉職は自分の判断で衣服の整理を行った。その1週間後、Kさんの家族から、「まだ十分に整理できていない」と苦情を受けた。J介護福祉職にとっては初めての苦情であった。J介護福祉職は上司に報告した。
その後、J介護福祉職は上司に、家族への対応方法について相談した。上司のJ介護福祉職への助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。「家族の指摘は気にしなくていいですよ」
2。「家族とKさんが一緒に衣服の整理をするように伝えたらどうですか」
3。「家族に衣服の数を減らすように助言したらどうですか」
4。「私に相談する前に自分で考えてください」
5。「私と一緒に考えましょう」
生活に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。生活は、食事と排泄と睡眠の3つの要素で構成される。
2。生活空間とは、居間と寝室のことである。
3。生活圏とは、どのライフステージ(life stage)でも同じである。
4。高齢者の生活様式は、画一化されている。
5。生活時間は、その人独自のものがある。
介護保険の給付対象となる住宅改修として、正しいものを1つ選びなさい。
1。寝室の近くにトイレを増設する。
2。階段に昇降機を設置する。
3。手すりを取り付けるために壁の下地を補強する。
4。浴室内にすのこを置く。
5。浴室に暖房機を設置する。
トイレの環境整備として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。就寝時の寝室よりも照明を明るくする。
2。介助が必要な場合は、洋式便所の後方に介助スペースを確保する。
3。出入り口の扉は、外開きより内開きの方が良い。
4。L字型手すりの直径は、50㎜程度を目安にする。
5。縦手すりは、洋式便座の先端よりも後方の側面に設置する。
電気かみそりを使ったひげそりの方法として、適切なものを1つ選びなさい。
1。蒸しタオルを当ててひげを柔らかくする。
2。電気かみそりを皮膚に強く押し当てる。
3。電気かみそりを皮膚に対して直角に当てる。
4。ひげの流れに沿って剃る。
5。顎の下などの湾曲した部分は、皮膚を寄せるようにして剃る。
介護が必要な利用者の口腔ケアの方法として、適切なものを1つ選びなさい。
1。ベッド上で実施する場合、仰臥位(背臥位)にする。
2。全部床義歯(総入れ歯)の場合、上からはずす。
3。ブラシの部分が大きく硬い歯ブラシを選ぶ。
4。うがいができる場合、ブラッシング前にうがいをする。
5。舌苔は残さず取り除く。
右片麻痺の利用者がベッドから立位になるときの介護方法として、適切なものを1つ選びなさい。
1。利用者の右膝に手を当て、立ち上がるのを補助する。
2。麻痺側の下肢を外転させる。
3。背すじを伸ばしたまま立ち上がるように、声をかける。
4。ベッドに深く腰掛けるように、声をかける。
5。利用者の左側に立つ。
ボディメカニクスの基本原則に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。介護者の支持基底面積は、狭くとる方が身体は安定する。
2。介護者は体幹をねじらず、足先を移動の方向に向ける。
3。介護者は大きな筋群よりも、指先や腕の力を使う。
4。介護者は重心を、できるだけ高くする。
5。利用者の身体をベッド上で水平移動する場合は、背部が接する面積を広くする。
視覚障害のある利用者の歩行介助をするときに、利用者に介護者のからだを握ってもらう基本的部位として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。A
2。B
3。C
4。D
5。E
Lさん(83歳、女性)は、誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)の既往があり、要介護2の判定を受けている。週2回、通所リハビリテーションを利用している。今日、通所リハビリテーションに来たLさんは、提供された食事をほとんど食べていない。食事以外に摂取している水分は、1日200~300mlだという。Lさんの手の甲の皮膚をつまむと、つまんだ形がそのまま残った。尿量も少なく、尿の色は濃い黄色であった。
Lさんへの対応として、適切なものを1つ選びなさい。
1。散歩を勧める。
2。入浴を勧める。
3。コーヒーを勧める。
4。おやつにゼリーを勧める。
5。食事の一時休止を勧める。
介護が必要な利用者の状況に応じた食事の提供に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。片麻痺の人には、頭部を後屈させて介護する。
2。視覚障害の人には、クロックポジションで説明する。
3。嚥下障害の人には、食事の温度は体温と同程度にする。
4。構音障害の人には、会話をしながら食事することを勧める。
5。認知症(dementia)の人には、その人が好む献立を繰り返し提供する。
食品の凝固に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。ゼラチン(gelatin)は沸騰した湯で溶かす。
2。寒天は常温で固まる。
3。片栗粉は熱湯で溶いてから加える。
4。ペクチン(pectin)は精製塩で固まる。
5。増粘剤(とろみ剤)は添加後、かき混ぜずに提供する。
入浴介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。埋込式ペースメーカーを装着している人は、シャワー浴にする。
2。人工肛門(ストーマ(stoma))のある人は、湯が入らないように装具をつける。
3。酸素療養中の人は、鼻カニューレを外して入浴する。
4。血液透析を受けている人は、透析直後の入浴を控える。
5。腹水がある人は、洋式タイプの浴槽に横たわった状態で入浴する。
おむつ交換時に配慮することとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。他の利用者がいる場合でも「おむつを替えますよ」と直接的な表現で伝える。
2。清拭用の温タオルの温度を感じるために、手袋は使わずに陰部を拭く。
3。陰部洗浄をする場合は、ぬるま湯を使う。
4。紙おむつの腹部のテープは、上のテープと下のテープを平行に止める。
5。腹部とおむつの間に隙間を作らない。
機能性尿失禁がある利用者の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。症状の改善に、骨盤底筋群を鍛える体操が効果的である。
2。尿路の疾患が疑われるので、泌尿器科の受診を勧める。
3。トイレを洋式に替えて、洗浄機能付き便座を設置する。
4。留置カテーテルを使用する。
5。早めのトイレ誘導を行う。
Mさん(77歳、女性)は一人暮らしである。半年前に転倒し、1か月間入院した。退院後は自宅にこもるようになり、週1回の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用するようになった。ある朝、訪問介護事業所に、別居の長男から「母が悪質商法の被害に遭っているようです」と連絡があった。訪問販売で3か月間に高価な和服を次々に買っていて、Mさん名義の預金が100万円近く減っているという。長男は、「ほかにも買っているかもしれませんから、母の部屋を探してください。買った和服は着る機会もないのでクーリング・オフをさせます」と言い、すぐにでも手続きをとりたい様子である。
この日、訪問する訪問介護員(ホームヘルパー)の最初の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。ほかにも被害がないかどうか、Mさんの部屋の中を探す。
2。クーリング・オフが可能かどうか契約書の日付を確認する。
3。Mさんに和服を買うようになった経緯を確認する。
4。Mさんに和服を買うことが浪費であることを説明する。
5。販売業者にクーリング・オフの連絡を入れる。
片麻痺のある利用者が着脱できる衣服を選択するときの助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。留めるボタンが小さいブラウスを勧める。
2。かぶり式のセーターを勧める。
3。股上の浅いスラックスを勧める。
4。伸縮性のないスラックスを勧める。
5。ウエストをひもで結ぶスラックスを勧める。
2019年の「家計調査」(総務省統計局)における高齢単身無職世帯の家計収支に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
(年度更新により、問題改定)
1。主な収入源は仕送りである。
2。主な支出は保健医療費である。
3。1か月の実収入は15万円を超える。
4。消費支出が可処分所得を上回っている。
5。非消費支出は5千円以下である。
安眠のための介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。午後に1時間以上の昼寝をするように勧める。
2。なるべく早い時間に床に就くように勧める。
3。日中、適度な疲労が得られる運動をするように勧める。
4。寝る前に熱めのお風呂に入るように勧める。
5。寝る前に緑茶を飲むように勧める。
Aさん(80歳、男性)は、自宅で妻と二人暮らしである。糖尿病(diabetes mellitus)で通院していた。2年前、肺がん(lung cancer)が発見され、抗がん剤による治療を行っていたが、数か月前から効果が少なくなり中止した。骨転移(bone metastasis)による痛みがあり、麻薬性鎮痛剤を使用している。Aさんは、「できるだけ家で暮らしたい」と希望している。寝ていることが多いが、トイレには伝い歩きで行くことができる。食欲はなく、食事を残すことが多い。妻は訪問介護員(ホームヘルパー)にAさんの日常生活について不安を訴えた。
妻への訪問介護員(ホームヘルパー)の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。「家では心配なので、入院しましょう」
2。「ポータブルトイレにしましょう」
3。「麻薬は怖いので、増やさないようにしましょう」
4。「好きなものを食べてもらうようにしましょう」
5。「なるべく寝ているようにしましょう」
介護老人福祉施設で臨終期にある人の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。昼夜の区別を明確にするような照明にする。
2。定期の入浴を行う。
3。夜間の巡回は控える。
4。安楽な体位を保持する。
5。仲の良い入所者の面会を控える。
介護過程(8問)
アセスメント(assessment)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。今できている活動の分析はしない。
2。これからできそうな活動の予測はしない。
3。利用者が嫌がることは検討しない。
4。他職種からの情報は検討しない。
5。1つの情報だけで検討しない。
Bさん(80歳、女性)はアパートの3階に一人で暮らしている。アパートにはエレベーターはない。5年前、階段で転倒し、右大腿骨頭置換術を行った。現在、歩行には問題がない。社交的であったが、最近外出の回数が減った。友人が転んで大けがをしたこともあり「転びそうで怖い」と言っている。
Bさんへの生活支援の課題として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1。アパートにエレベーターがないこと。
2。転倒の不安があること。
3。一人暮らしであること。
4。手術の既往があること。
5。外出の機会が減っていること。
Cさん(83歳、女性)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)で、介護老人保健施設に入所している。最近、もの盗られ妄想がひどくなり、「時計がない」「金の時計だから盗まれた」「嫁が盗んだに違いない」と言い、週末に訪れる長男の妻のDさんに対して大声で、「返して」と言っている。
Cさんへの介護目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。行動・心理症状(BPSD)を改善する。
2。Dさんの汚名を晴らすことができる。
3。Dさんと穏やかに過ごすことができる。
4。説明を受けて理解することができる。
5。興奮時は薬で鎮静を図る。
介護計画に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。生活課題を解決するための方法を計画する。
2。効果があればアセスメント(assessment)せずに計画する。
3。日常的な支援以外の方法を計画する。
4。介護福祉職の過去の成功体験をそのまま取り入れて計画する。
5。実現不可能でも目標を持って計画する。
訪問介護員(ホームヘルパー)が介護計画に基づいて、いつものようにEさん (80歳、男性)に「一緒に洗濯物を干しましょう」と声をかけた。するとEさんが「どうしてそんなことをやらないといけないんだ」と大声をあげた。このようなことが何回も続いた。
この場面の訪問介護員(ホームヘルパー)のアセスメント(assessment)として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。認知症(dementia)の診断を急いでもらう必要がある。
2。声が外に漏れないように工夫する必要がある。
3。大声をあげる背景を確認する必要がある。
4。決められたことなのでやってもらう必要がある。
5。家族から励ましてもらう必要がある。
介護過程の評価の実施に責任を持つものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。利用者
2。家族
3。介護福祉職
4。医療関係者
5。行政機関
Fさんは10年前、パーキンソン病(Parkinson disease)と診断された。ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)全般に、動作がゆっくり時間がかかる。Fさんは大柄だが、長女は小柄でやせており、入浴介助が難しい。訪問介護(ホームヘルプサービス)を週3回(入浴介助、長女が留守の時の調理)、通所リハビリテーションを週1回、配食サービスを週1回利用している。居宅介護サービス計画の方針は、Fさんの体調に考慮しながら、住み慣れた自宅で安心して暮らせるように支援することである。ある日、長女から「お弁当を食べていないことが時々ある」「お父さんが重くて腰が痛い」「そろそろ施設入所を考えている」と話があった。
訪問介護員(ホームヘルパー)はFさんの声が小さく、言葉がはっきりせず聞き取りにくくなったと感じている。
訪問介護員(ホームヘルパー)は、居宅介護サービス計画の変更を提案したいと考えている。Fさんの主観的情報を得る方法として、正しいものを1つ選びなさい。
1。体重を測定する。
2。Fさんの考えを聞く。
3。食事摂取量を確認する。
4。表情から気持ちを推測する。
5。長女に息子の協力の有無を聞く。
Fさんは10年前、パーキンソン病(Parkinson disease)と診断された。ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)全般に、動作がゆっくり時間がかかる。Fさんは大柄だが、長女は小柄でやせており、入浴介助が難しい。訪問介護(ホームヘルプサービス)を週3回(入浴介助、長女が留守の時の調理)、通所リハビリテーションを週1回、配食サービスを週1回利用している。居宅介護サービス計画の方針は、Fさんの体調に考慮しながら、住み慣れた自宅で安心して暮らせるように支援することである。ある日、長女から「お弁当を食べていないことが時々ある」「お父さんが重くて腰が痛い」「そろそろ施設入所を考えている」と話があった。
訪問介護員(ホームヘルパー)はFさんの声が小さく、言葉がはっきりせず聞き取りにくくなったと感じている。
チームアプローチ(team approach)での訪問介護員(ホームヘルパー)の役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。配食サービスをやめて、訪問介護(ホームヘルプサービス)を増やすように計画を変更する。
2。施設への入所手続きを代行する。
3。浴室を改修する見積もりを業者に依頼する。
4。本人と家族の思いをケアカンファレンス(care conference)で報告する。
5。訪問介護員(ホームヘルパー)の腰痛予防対策をケアカンファレンス(care conference)で話し合う。
総合問題(12問)
Gさん(75歳、男性)は、妻と穏やかに暮らしていた。ドライブが趣味で、妻が買い物に行くときは送り迎えをした。妻の買い物がない日には、いつも近くのUコミュニティセンターで、仲間達と囲碁や将棋をしていた。
そんなGさんが、半年前から Uコミュニティセンターに行かない日が多くなり、家の中をうろうろしたり、妻に買い物に行く時間を何度も確認し、車の鍵を探し回ることが多くなった。2か月ほど前、買い物の後で家に帰る道が分からなくなり、同じ道を行ったり来たりしているので、妻が、「次の路地に入ってください」と言うと、「分かっとる」と大声をだした。家に到着すると「今年は免許更新の年だ」と言った。心配した妻が、かかりつけのH医師にGさんの診察を依頼した。アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断され、その後、要介護1と認定された。現在、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し、妻は訪問介護員(ホームヘルパー)がいる間に買い物に出かけている。
妻は、Gさんのことが心配でなかなか自宅を空けることができない。妻が自宅から気軽に相談できる機関として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。高齢者生活福祉センター
2。地域活動支援センター
3。市町村保健センター
4。認知症コールセンター
5。認知症介護研究・研修センター
Gさん(75歳、男性)は、妻と穏やかに暮らしていた。ドライブが趣味で、妻が買い物に行くときは送り迎えをした。妻の買い物がない日には、いつも近くのUコミュニティセンターで、仲間達と囲碁や将棋をしていた。
そんなGさんが、半年前から Uコミュニティセンターに行かない日が多くなり、家の中をうろうろしたり、妻に買い物に行く時間を何度も確認し、車の鍵を探し回ることが多くなった。2か月ほど前、買い物の後で家に帰る道が分からなくなり、同じ道を行ったり来たりしているので、妻が、「次の路地に入ってください」と言うと、「分かっとる」と大声をだした。家に到着すると「今年は免許更新の年だ」と言った。心配した妻が、かかりつけのH医師にGさんの診察を依頼した。アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断され、その後、要介護1と認定された。現在、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し、妻は訪問介護員(ホームヘルパー)がいる間に買い物に出かけている。
妻は交通事故を心配して、1日も早く車の運転をやめさせたいと考えている。現在のGさんの状況について、訪問介護員(ホームヘルパー)の妻に対する助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。車の鍵を隠すことを勧める。
2。Gさんに断りなく車を処分することを勧める。
3。「免許更新期間は過ぎましたよ」とGさんに言うように勧める。
4。近くの警察署に相談することを勧める。
5。「あなたの運転は怖いから乗りません」とGさんに言うように勧める。
Gさん(75歳、男性)は、妻と穏やかに暮らしていた。ドライブが趣味で、妻が買い物に行くときは送り迎えをした。妻の買い物がない日には、いつも近くのUコミュニティセンターで、仲間達と囲碁や将棋をしていた。
そんなGさんが、半年前から Uコミュニティセンターに行かない日が多くなり、家の中をうろうろしたり、妻に買い物に行く時間を何度も確認し、車の鍵を探し回ることが多くなった。2か月ほど前、買い物の後で家に帰る道が分からなくなり、同じ道を行ったり来たりしているので、妻が、「次の路地に入ってください」と言うと、「分かっとる」と大声をだした。家に到着すると「今年は免許更新の年だ」と言った。心配した妻が、かかりつけのH医師にGさんの診察を依頼した。アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断され、その後、要介護1と認定された。現在、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し、妻は訪問介護員(ホームヘルパー)がいる間に買い物に出かけている。
妻はGさんと、自宅でできるだけ長く生活したいと考えている。また、自分が旅行などで一定期間家を空けることができるのかと心配している。
妻の心配に対応する介護保険サービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。短期入所療養介護
2。通所リハビリテーション
3。通所介護(デイサービス)
4。認知症対応型通所介護
5。訪問看護
Jさん(80歳、女性)は3年前にレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)と診断され、要介護3と認定された。次第に徘徊することが多くなって、夫(88歳)が介護することは難しくなり、現在は認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用している。
Jさんは、「先生が怖い顔をしてあっちから歩いてくる」など、実際にはないことを口にしていた。Jさんはグループホームから出て行き、Vコンビニエンスストアで発見されたことが1回ある。
家族の了承を得て、GPS追跡機をJさんの身につけてもらうことにした。また、地域のネットワークを利用して、Jさんが発見されたVコンビニエンスストアの店員、地域の民生委員、自治会、老人クラブなどに呼びかけ、一人で歩いているJさんを見かけたときは、グループホームに連絡を入れてもらうことにした。一方で、介護福祉職は,Jさんが外出したいときには、付き添って外出していた。
Jさんに見られる症状として、正しいものを1つ選びなさい。
1。感情失禁
2。奇異行動
3。無動
4。無言
5。幻視
Jさん(80歳、女性)は3年前にレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)と診断され、要介護3と認定された。次第に徘徊することが多くなって、夫(88歳)が介護することは難しくなり、現在は認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用している。
Jさんは、「先生が怖い顔をしてあっちから歩いてくる」など、実際にはないことを口にしていた。Jさんはグループホームから出て行き、Vコンビニエンスストアで発見されたことが1回ある。
家族の了承を得て、GPS追跡機をJさんの身につけてもらうことにした。また、地域のネットワークを利用して、Jさんが発見されたVコンビニエンスストアの店員、地域の民生委員、自治会、老人クラブなどに呼びかけ、一人で歩いているJさんを見かけたときは、グループホームに連絡を入れてもらうことにした。一方で、介護福祉職は,Jさんが外出したいときには、付き添って外出していた。
地域の住民から、「Jさんに似た人をW橋のそばで見かけました」と連絡が入った。W橋はVコンビニエンスストアから2kmほど離れている。JさんのGPS追跡機が居室から見つかったが、Jさんの姿はグループホーム内に見あたらなかった。この時点で、介護福祉職がとるべき対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。グループホームで帰ってくるのを待つ。
2。休暇中の職員全員に出勤してもらう。
3。地域のネットワークに協力を依頼する。
4。Jさん宅に探しにいく。
5。VコンビニエンスストアでJさんが来るのを待つ。
Jさん(80歳、女性)は3年前にレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)と診断され、要介護3と認定された。次第に徘徊することが多くなって、夫(88歳)が介護することは難しくなり、現在は認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用している。
Jさんは、「先生が怖い顔をしてあっちから歩いてくる」など、実際にはないことを口にしていた。Jさんはグループホームから出て行き、Vコンビニエンスストアで発見されたことが1回ある。
家族の了承を得て、GPS追跡機をJさんの身につけてもらうことにした。また、地域のネットワークを利用して、Jさんが発見されたVコンビニエンスストアの店員、地域の民生委員、自治会、老人クラブなどに呼びかけ、一人で歩いているJさんを見かけたときは、グループホームに連絡を入れてもらうことにした。一方で、介護福祉職は,Jさんが外出したいときには、付き添って外出していた。
JさんはW橋近くで無事に発見された。グループホームの職員は今後のJさんへの対応について話し合いを行った。介護福祉職のJさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。Jさんの居室に鍵をかけ、居室の中で過ごしてもらう。
2。無断外出がたくさんの人に迷惑がかかることを伝え、反省を促す。
3。Jさんの一日の生活リズムを再確認する。
4。グループホームの利用をやめるように勧める。
5。今後出かけるときは、職員に声をかけるように伝える。
Kさん(46歳、男性)は、1年前、事故が原因で全盲となった。失明当時は、自宅にひきこもってしまい、妻と離婚し、仕事も辞めてしまった。
その後、なんとか元の自分の生活を取り戻したいと思って、総合リハビリテーションセンターを利用し始めたが、初めは、受傷による心理的な影響が大きく、積極的に訓練に参加することができなかった。
センターの介護福祉職のKさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。他の視聴覚障害者も頑張っていることを伝える。
2。1日でも早く一人で歩くことができるように励ます。
3。センター内の視覚障害者の集いへの参加を勧める。
4。障害者スポーツの参加を勧める。
5。経済的な支援やサービスに関する制度について説明する。
Kさん(46歳、男性)は、1年前、事故が原因で全盲となった。失明当時は、自宅にひきこもってしまい、妻と離婚し、仕事も辞めてしまった。
その後、なんとか元の自分の生活を取り戻したいと思って、総合リハビリテーションセンターを利用し始めたが、初めは、受傷による心理的な影響が大きく、積極的に訓練に参加することができなかった。
Kさんとのコミュニケーションを図るためのセンターの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。話したり、手で触れたりしてコミュニケーションを図る。
2。読話を用いてコミュニケーションを図る。
3。点字を用いてコミュニケーションを図る。
4。Kさんの話をうなずきながら聞く。
5。「あれ」、「これ」という指示代名詞を用いてコミュニケーションを図る。
Kさん(46歳、男性)は、1年前、事故が原因で全盲となった。失明当時は、自宅にひきこもってしまい、妻と離婚し、仕事も辞めてしまった。
その後、なんとか元の自分の生活を取り戻したいと思って、総合リハビリテーションセンターを利用し始めたが、初めは、受傷による心理的な影響が大きく、積極的に訓練に参加することができなかった。
センターの介護福祉職のアドバイスなどもあり、Kさんは徐々に歩行訓練、日常生活活動訓練、点字訓練、音声ソフトを導入したパソコンの訓練等を行うことができるようになった。また、Kさんは、比較的早く、盲導犬と生活する訓練を受け、現在、盲導犬と一緒に自宅で生活することが可能になった。Kさんがいつも相談に行っている地域活動支援センターの職員から盲導犬とその利用者への接し方について一般の人に話して欲しいと依頼された。Kさんが話す内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。盲導犬がそばにいれば困ることはないので、視覚障害者に話しかけないで欲しい。
2。仕事中の盲導犬に声をかけて励まして欲しい。
3。仕事中の盲導犬に水や食べ物を与えて欲しい。
4。盲導犬が通路をふさぐなどの困った行動をしていても、黙って見ていてほしい。
5。盲導犬がハーネス(harness)をつけているときは、仕事中なので見守ってほしい。
Lさん(45歳、男性)は30歳の頃、統合失調症(schizophrenia)と診断された。両親と弟がいるが、関係が悪く、現在は両親の家の近くにアパートの一室を借りて住んでいる。
精神状態が悪くなると、誰かが襲ってくると思い込み、部屋から一歩も出ることができなくなる。その結果、部屋のゴミがいっぱいで、Lさんが寝る場所以外はゴミで埋められていた。
心配した母親は相談支援専門員に状況を話した。相談支援専門員が、Lさんに障害支援区分の認定を受けてもらったところ、区分3と判定された。A訪問介護員が派遣されることになった。
LさんはA訪問介護員が部屋に入ることは受け入れたが、家事の支援は受け入れなかった。A訪問介護員は粘り強くLさんの話を聞き、「Lさんのいる場所と私がいる場所くらいは作りたい」と伝えた。その結果、Lさんと一緒にゴミを少し片づけることができた。A訪問介護員は、Lさんの定期的な通院にも付き添うことができるようになった。Lさんは服薬もしっかりとするようになってきた。
精神状態が悪くなったときのLさんの症状として、正しいものを1つ選びなさい。
1。幻覚
2。妄想
3。せん妄(delirium)
4。思考途絶
5。感情鈍麻
Lさん(45歳、男性)は30歳の頃、統合失調症(schizophrenia)と診断された。両親と弟がいるが、関係が悪く、現在は両親の家の近くにアパートの一室を借りて住んでいる。
精神状態が悪くなると、誰かが襲ってくると思い込み、部屋から一歩も出ることができなくなる。その結果、部屋のゴミがいっぱいで、Lさんが寝る場所以外はゴミで埋められていた。
心配した母親は相談支援専門員に状況を話した。相談支援専門員が、Lさんに障害支援区分の認定を受けてもらったところ、区分3と判定された。A訪問介護員が派遣されることになった。
LさんはA訪問介護員が部屋に入ることは受け入れたが、家事の支援は受け入れなかった。A訪問介護員は粘り強くLさんの話を聞き、「Lさんのいる場所と私がいる場所くらいは作りたい」と伝えた。その結果、Lさんと一緒にゴミを少し片づけることができた。A訪問介護員は、Lさんの定期的な通院にも付き添うことができるようになった。Lさんは服薬もしっかりとするようになってきた。
Lさんは移動のときに見守りが必要である。Lさんの定期的な通院に付き添うことが可能となるサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。居宅介護
2。同行援護
3。生活介護
4。自立訓練
5。療養介護
Lさん(45歳、男性)は30歳の頃、統合失調症(schizophrenia)と診断された。両親と弟がいるが、関係が悪く、現在は両親の家の近くにアパートの一室を借りて住んでいる。
精神状態が悪くなると、誰かが襲ってくると思い込み、部屋から一歩も出ることができなくなる。その結果、部屋のゴミがいっぱいで、Lさんが寝る場所以外はゴミで埋められていた。
心配した母親は相談支援専門員に状況を話した。相談支援専門員が、Lさんに障害支援区分の認定を受けてもらったところ、区分3と判定された。A訪問介護員が派遣されることになった。
LさんはA訪問介護員が部屋に入ることは受け入れたが、家事の支援は受け入れなかった。A訪問介護員は粘り強くLさんの話を聞き、「Lさんのいる場所と私がいる場所くらいは作りたい」と伝えた。その結果、Lさんと一緒にゴミを少し片づけることができた。A訪問介護員は、Lさんの定期的な通院にも付き添うことができるようになった。Lさんは服薬もしっかりとするようになってきた。
LさんとA訪問介護員との信頼関係ができ、部屋の中もきれいに片づいた。Lさんはこの後の生活についての漠然とした不安をA訪問介護員に相談するようになった。Lさんを交えた支援会議の前に、担当の相談支援専門員とサービス提供責任者、A訪問介護員が会議を開いた。A訪問介護員が提案する内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。両親と話し合い、一緒に住むこと
2。仕事を見つけるために、公共職業安定所(ハローワーク)に行くこと
3。地域活動支援センターの利用
4。共同生活援助(グループホーム)の利用
5。継続的な服薬管理のための短期間の入院