介護福祉士 過去問 2019
こちらのアプリには、2019年1月27日(日)に実施された、介護福祉士国家試験の問題と解説を掲載しています。来年度の受験に向けて活用していただけると幸いです。
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人間の尊厳と自立(2問)
Aさん(82歳、女性、要介護2)は、夫を7年前に看取り、その後は一人暮らしをしている。夜中にトイレに行った時に転倒し、大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)を骨折(fracture)して3か月入院した。自宅に手すりをつけ、段差をなくす住宅改修をした後、退院した。何かにつかまれば、いすからの立ち上がりや歩行ができる。人と関わるのは苦手なため自宅での生活が中心である。遠方に一人息子が住んでおり、月に1度は様子を見に帰ってくる。週3回、訪問介護(ホームヘルプサービス)の買物代行や部屋の掃除などの生活援助を利用している。
Aさんはできるだけ自分のことは自分で行い、このまま自宅での生活を継続したいと希望している。訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問したときに、Aさんは一人暮らしを続けることが不安であると告げた。
Aさんに対する訪問介護員(ホームヘルパー)の応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。「訪問介護(ホームヘルプサービス)を毎日利用したらどうですか」
2。「一人暮らしは大変なので息子さんと同居したらどうですか」
3。「また転ぶかもしれないと思っているのですか」
4。「グループホームに入居することを考えたらどうですか」
5。「手すりをつけたし、段差もなくしたので転びませんよ」
『夜と霧』や『死と愛』の著作があるフランクル(Frankl、V.)が提唱した価値の説明として、適切なものを1つ選びなさい。
1。公民権運動により差別を解消すること。
2。生命が制限される状況において、いかなる態度をとるかということ。
3。最低生活水準を保障すること。
4。ライフサイクル(lifecycle)を通じたノーマルな発達的経験をすること。
5。アパルトヘイト(人種隔離政策)を撤廃すること。
人間関係とコミュニケーション(4問)
Bさん(90歳、男性)は、介護老人福祉施設に入所することになった。一人暮らしが長かったBさんは、入所当日、人と会話することに戸惑っている様子で、自分から話そうとはしなかった。介護福祉職は、Bさんとコミュニケーションをとるとき、一方的な働きかけにならないように、あいづちを打ちながらBさんの発話を引き出すように心がけた。
このときの介護福祉職の対応の意図に当てはまるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。双方向のやり取り
2。感覚機能低下への配慮
3。生活史の尊重
4。認知機能の改善
5。互いの自己開示
聴覚障害のある利用者と介護福祉職との間での筆談に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。中途失聴者が用いることは少ない。
2。空中に字を書くことは控える。
3。多人数での双方向のコミュニケーションに用いる。
4。図や絵よりも文字を多用する。
5。キーワードを活用して内容を伝達する。
利用者とのコミュニケーションにおいて逆転移が起きている事例に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。自分が利用者を嫌いなのに、利用者が自分を嫌っていると思い込む。
2。亡くなった祖母と似ている利用者に、無意識に頻繁に関わる。
3。利用者に対する不満を直接ぶつけずに、机を強くたたいて発散する。
4。敬意を抱いている利用者の口癖を、自分もまねて用いる。
5。利用者に対する嫌悪の感情を抑え、過剰に優しく利用者に接する。
介護福祉職が行う傾聴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。利用者が抱いている感情を推察する。
2。利用者が話す内容を介護福祉職の価値観で判断する。
3。対話の話題を介護福祉職の関心で展開する。
4。利用者が体験した客観的事実の把握を目的とする。
5。利用者が沈黙しないように対話する。
社会の理解(12問)
家族の機能に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。衣食住などの生活水準を維持しようとする機能は、生命維持機能である。
2。個人の生存に関わる食欲や性欲の充足、安全を求める機能は、生活維持機能である。
3。子育てにより子どもを社会化する機能は、パーソナリティの安定化機能である。
4。家族だけが共有するくつろぎの機能は、パーソナリティの形成機能である。
5。介護が必要な構成員を家族で支える機能は、ケア機能である。
「地域共生社会」が目指すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。育児・介護のダブルケアへの対応
2。すべての住民が支え合い、自分らしく活躍できる地域コミュニティの創出
3。高齢者分野の相談支援体制の強化
4。公的サービスに重点を置いた地域福祉の充実
5。専門職主体の地域包括支援体制の構築
特定非営利活動法人(NPO法人)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。社会福祉法に基づいて法人格を取得した法人である。
2。収益を上げることは禁じられている。
3。社会教育の推進を図る活動を行うものが最も多い。
4。認定特定非営利活動法人は、税制上の優遇措置を受けることができる。
5。災害救援は対象外の活動である。
「育児・介護休業法」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。契約社員は、育児休業を取得できない。
2。介護休業は、対象家族一人につき連続して取得しなければならない。
3。介護休業は、育児休業よりも先に制度化された。
4。雇用主には、育児休業中の給与支給が義務づけられている。
5。配偶者、父母、子、配偶者の父母は、介護休業の対象家族である。
Cさん(71歳、女性、要介護1)は、軽度の認知症(dementia)がある。週1回通所介護(デイサービス)を利用している。娘が離婚して、常勤で就労するようになり、孫を連れてCさん宅へ転入した。孫が保育所に入所できなかったため、Cさんが日中面倒を見ることになった。そのため、楽しみにしていた通所介護(デイサービス)の利用が困難になり困っているという相談が、指定通所介護事業所のD管理者(介護福祉士)にあった。
D管理者の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。利用が困難ということなので、通所介護計画を変更する。
2。通所介護(デイサービス)の利用日は会社を休むように、娘に言う。
3。担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)に、再調整を依頼する。
4。児童相談所に相談するように、Cさんに助言する。
5。娘に転職をしてもらうように、Cさんに助言する。
労働者災害補償保険制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。パートやアルバイトは、保険給付の対象である。
2。保険料は、雇用主と労働者がそれぞれ負担する。
3。通勤途上の事故は、保険給付の対象外である。
4。業務上の心理的負荷による精神障害は、保険給付の対象外である。
5。従業員がいない自営業者は、保険給付の対象である。
2018年(平成30年)に施行された介護保険制度の改正内容として、正しいものを1つ選びなさい。
1。介護医療院の創設
2。定期巡回・随時対応型訪問介護看護の創設
3。在宅医療・介護連携推進事業の地域支援事業への位置づけ
4。地域包括支援センターへの認知症連携担当者の配置
5。法令遵守等の業務管理体制整備の義務づけ
2018年(平成30年)に施行された介護保険制度の利用者負担に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。施設の食費は、材料費等の実費を新たに全額自己負担することになった。
2。補足給付の支給要件から資産が除かれた。
3。居宅介護サービス計画費について自己負担が導入された。
4。施設の居住費は、新たに保険給付の対象外とされた。
5。一定以上の所得のある利用者に対して3割負担が導入された。
2016年(平成28年)の「障害者総合支援法」の改正内容として、適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
1。放課後や休日に児童・生徒の活動を支援する放課後等デイサービスが創設された。
2。一人暮らしを希望する障害者に対して、地域生活を支援する自立生活援助が創設された。
3。障害者の1年間以上の雇用継続を義務づける就労定着支援が創設された。
4。保育所等を訪問して、障害児に発達支援を提供する保育所等訪問支援が創設された。
5。医療的ケアを必要とする障害児への支援として、医療型障害児入所施設が創設された。
障害者を支援する専門職の主たる業務に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。社会福祉士は、福祉関連法に定められた援護、措置の事務を行う。
2。精神保健福祉士は、心理検査を実施して精神面の判定を行う。
3。理学療法士は、手芸や工作の作業、家事の訓練を行う。
4。言語聴覚士は、聴覚検査や言語訓練、嚥下訓練を行う。
5。栄養士は、摂食の訓練や摂食のための自助具の作成を行う。
Eさん(75歳)はU事業所の訪問介護(ホームヘルプサービス)とV事業所の通所介護(デイサービス)を利用している。Eさんは通所介護(デイサービス)の職員の対応に不満があり、苦情を申し出たいがどうすればよいかとU事業所の訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。
訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。通所介護(デイサービス)の職員に注意しておくと伝える。
2。介護保険審査会に申し出るように助言する。
3。介護保険の事業所の苦情対応の仕組みを説明して、担当者に相談するように助言する。
4。しばらく様子を見てから、改めて相談に応じると伝える。
5。日常生活自立支援事業を契約して、苦情解決を援助してもらうように助言する。
社会福祉法人に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。設立にあたっては、所在地の都道府県知事が厚生労働大臣に届出を行う。
2。収益事業は実施することができない。
3。事業運営の透明性を高めるために、財務諸表を公表することとされている。
4。評議員会の設置は任意である。
5。福祉人材確保に関する指針を策定する責務がある。
こころとからだのしくみ(12問)
ライチャード(Reichard, S.)による老年期の性格類型において、円熟型に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1。自分の過去に対して自責の念を抱く。
2。年を取ることをありのまま受け入れていく。
3。若いときの積極的な活動を維持する。
4。他者の援助に依存する。
5。責任から解放されることを好む。
臓器とその機能の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。
1。肝臓 — グリコーゲン(glycogen)の貯蔵
2。膀胱 — 尿の濃縮
3。小脳 — 呼吸中枢
4。副腎 — インスリン(insulin)の分泌
5。心臓 — ガス交換
唾液腺と唾液に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。副交感神経は唾液分泌を抑制する。
2。唾液分泌は食事摂取時に限られる。
3。耳下腺の導管は口腔底に開口する。
4。唾液には抗菌作用がある。
5。舌下腺は小唾液腺である。
良肢位に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。ADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)に最も支障が少ない姿勢である。
2。肘関節を伸ばした姿勢である。
3。つま先が下を向いた姿勢である。
4。拘縮を起こしやすい姿勢である。
5。クッションを用いた保持は避ける。
胃ろうに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。ろう孔周囲のびらんは、放置してよい。
2。ろう孔は、カテーテルの抜去後、およそ1時間で自然に閉鎖する。
3。カテーテルの交換は不要である。
4。ミキサー食の注入は禁止されている。
5。経口摂取も併用できる。
Dさん(75歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。糖尿病(diabetesmellitus)があり、インスリン療法を受けている。2日前から風邪をひいて、食事量が普段の半分程度に減っていたが、医師の指示どおりインスリン注射を継続していた。介護福祉職が朝食をDさんに渡そうとしたところ、顔色が悪く、「胸がどきどきして、ふわふわする」と話し、額には汗が見られた。
考えられるDさんの状態として、ただちに医療職に相談しなければならないものを1つ選びなさい。
1。発熱
2。脱水
3。低血糖
4。貧血
5。意識障害
皮膚の乾燥に伴うかゆみに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。高齢者では、まれである。
2。水分摂取を控える。
3。顔面に好発する。
4。利用者の爪は短く切る。
5。皮膚をかくことで軽快する。
入浴介護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。家庭内での不慮の事故死のうち、入浴関連はまれである。
2。心臓に疾患のある人には、全身浴を勧める。
3。浴槽からの立ち上がりは、ゆっくり行う。
4。食後すぐの入浴を勧める。
5。入浴後、水分摂取は控える。
排便の仕組みに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。仰臥位は、排便しやすい姿勢である。
2。交感神経は、直腸の蠕動運動を促進させる。
3。食事をとると、便意はおさまる。
4。息を吐きながら腹圧を低下させると、排便は促される。
5。排便時には、外肛門括約筋を意識的に弛緩させる。
睡眠に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。加齢に伴って睡眠時間は短くなる。
2。睡眠障害の多くは遺伝性である。
3。過眠は睡眠時間が長くなることをいう。
4。睡眠中は体温が上昇する。
5。睡眠周期は約60分である。
睡眠に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。高齢者の中途覚醒は、水分の摂りすぎが原因である。
2。レストレスレッグス症候群(restlesslegssyndrome)は、下肢を動かすと症状が軽快する。
3。仰臥位で眠ると、いびきが改善する。
4。睡眠時間の確保には、寝だめが有効である。
5。熟睡するには、就寝前の飲酒が有効である。
Eさん(75歳、男性)は、2年前に肺がん(lungcancer)と診断されて、抗がん剤治療を受けていたが、効果がなく1か月前に治療を中止した。その後、日常生活に支援が必要となり、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
訪問介護員(ホームヘルパー)は初回訪問を終えて帰ろうとした時に、いきなりEさんから、「もう来なくてもいい」と厳しい口調で言われた。また、「どうして私だけが、がん(cancer)にならなければならないのか」という言葉も聞かれた。
Eさんの心理状態について、キューブラー・ロス(Kubler-Ross、E.)が提唱した心理過程の段階として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。否認
2。怒り
3。取り引き
4。抑うつ
5。受容
発達と老化の理解(8問)
乳幼児の標準的な心身の発達に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。生後3か月頃、指を使って積み木がつかめるようになる。
2。生後6か月頃、つかまり立ちができるようになる。
3。1歳頃、喃語が現れ始める。
4。2歳頃、二語文を話すようになる。
5。3歳頃、愛着(アタッチメント(attachment))が形成され始める。
高齢者に対する次の見方のうち、エイジズム(ageism)に該当するものを1つ選びなさい。
1。心身機能の個人差が大きくなる。
2。視覚機能が低下する。
3。流動性知能が低下する。
4。認知機能が低下する。
5。頑固な性格になる。
加齢に伴う身体機能の変化として、適切なものを1つ選びなさい。
1。周辺視野が広くなる。
2。低周波の音から聞こえにくくなる。
3。味覚の感受性が低下する。
4。振動に敏感になる。
5。嗅覚が敏感になる。
尿失禁に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。認知症(dementia)で尿を漏らすのを、腹圧性尿失禁という。
2。トイレまで我慢できずに尿を漏らすのを、切迫性尿失禁という。
3。重い物を持った時に尿を漏らすのを、混合性尿失禁という。
4。いろいろな原因が重なって尿を漏らすのを、溢流性尿失禁という。
5。前立腺肥大症(prostatichypertrophy)で尿を漏らすのを、機能性尿失禁という。
Aさん(95歳、女性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所して6か月になる。入所間もない頃は、「買物に行きたい」「友達に会いに行きたい」と、いろいろ介護福祉職に要望したが、それらの要望には応えてもらえなかった。
現在Aさんは、認知機能障害はなく、身体的にも大きな変化や異常は認められない。しかし、ほとんどの時間をベッドで過ごしていて、「どこか行きたいところはないですか」と介護福祉職が聞いても、「ない」と答えるだけである。
Aさんの現在の状態を説明するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。学習性無力感
2。反動形成
3。統合失調症(schizophrenia)の陰性症状
4。せん妄(delirium)
5。パーソナリティの変化
高齢者の疾患と治療に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。複数の慢性疾患を持つことは、まれである。
2。服用する薬剤の種類は、若年者より少ない。
3。服用する薬剤の種類が増えると、薬の副作用は出にくくなる。
4。高血圧症(hypertension)の治療目標は、若年者と同じにする。
5。薬剤の効果が強く出ることがある。
高齢者の便秘に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。1日に1回、排便がない状態をいう。
2。病気が原因となることは、まれである。
3。腹筋の筋力低下は、原因となる。
4。薬剤が原因となることは、まれである。
5。下剤の服用を優先する。
Bさん(68歳、女性)は、3か月前から、自宅の階段を昇り降りするときに、両膝の痛みが強くなってきた。整形外科を受診したところ、変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)(knee osteoarthritis)と診断された。Bさんの身長は153cm、体重は75kgである。
Bさんの日常生活の留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。歩行を控える。
2。正座で座る。
3。膝を冷やす。
4。体重を減らす。
5。杖は使わない。
認知症の理解(10問)
介護老人保健施設に入所した認知症高齢者が、夜中に荷物を持って部屋から出てきて、介護福祉職に、「出口はどこか」と聞いてきた。介護福祉職の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。「今日はここにお泊りになることになっています」と伝える。
2。「もうすぐご家族が迎えに来るので、お部屋で待っていましょう」と居室に誘う。
3。「トイレですよね」と手を取って案内する。
4。「どちらに行きたいのですか」と声をかけて並んで歩く。
5。「部屋に戻って寝ましょう」と荷物を持って腕を取る。
図は、2016年(平成28年)「国民生活基礎調査」(厚生労働省)を基に、介護保険制度における要介護者と要支援者の介護が必要となった主な原因の構成割合を作図したものである。
AからEには、
「関節疾患(jointdisease)」
「高齢による衰弱」
「骨折(fracture)・転倒」
「認知症(dementia)」
「脳血管疾患(cerebrovasculardisease)(脳卒中(stroke))」
のいずれかが該当する。
「認知症(dementia)」に該当するものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1。A
2。B
3。C
4。D
5。E
認知症(dementia)の人を支援する施策に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。認知症サポーターは、認知症(dementia)に対する正しい知識と理解を持ち、認知症(dementia)の人を支援する。
2。介護保険制度では、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、居宅サービスに位置づけられている。
3。認知症(dementia)と診断された39歳の人は、介護保険制度を利用できる。
4。介護保険制度では、認知症対応型通所介護は施設サービスに位置づけられている。
5。成年後見制度では、地域包括支援センターの社会福祉士が補助人、保佐人、成年後見人を選定する。
加齢による物忘れと比べたときの、認知症(dementia)による物忘れの特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。見当識障害はない。
2。物忘れの自覚はない。
3。物忘れが進行しない。
4。日常生活に明らかな支障はない。
5。体験の一部分だけを思い出せない。
認知機能障害に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。記憶障害では、初期から手続き記憶が障害される。
2。見当識障害では、人物の認識は障害されない。
3。失行では、洋服をうまく着られなくなる。
4。失認は、視覚や聴覚の障害が原因である。
5。実行機能の障害では、ADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)は障害されない。
軽度認知障害(mildcognitiveimpairment)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。記憶力の低下の訴えがある。
2。日常生活に支障がある。
3。認知症(dementia)の一種である。
4。CDR(ClinicalDementiaRating)のスコアが2である。
5。全般的な認知機能が低下している。
抗認知症薬に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。貼付剤はない。
2。非薬物療法との併用はしない。
3。段階的に投与量を減量していく。
4。副作用として悪心や下痢が生じることがある。
5。ADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)が改善することはない。
認知症(dementia)の原因となる疾患と、特徴的な行動・心理症状(BPSD)の組合せとして、適切なものを1つ選びなさい。
1。アルツハイマー型認知症(dementiaoftheAlzheimer’stype) — 幻視
2。血管性認知症(vasculardementia) — 抑うつ
3。レビー小体型認知症(dementiawithLewybodies) — 人格変化
4。前頭側頭型認知症(frontotemporaldementia) — もの盗られ妄想
5。クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakobdisease) — 徘徊
重度の認知症高齢者の胃ろう栄養法に関する支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。主治医が導入するかしないかを決定する。
2。家族が導入するかしないかを決定する。
3。本人の意向や価値観の把握に努め、本人にとっての最善を関係者で判断する。
4。成年後見人がいる場合、成年後見人が導入するかしないかを決定する。
5。看取り期には、介護福祉職の判断で胃ろう栄養法を中止する。
認知症(dementia)の母親を献身的に介護している息子が、母親に怒鳴られてたたきそうになった。それを見ていた介護福祉職の息子への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。「孝行息子のあなたが手を上げるなんて…」と注意する。
2。「行政に通報します」と告げる。
3。「認知症(dementia)だから怒鳴るのは仕方がない」と慰める。
4。「地域にある認知症(dementia)の人と家族の会を紹介します」と伝える。
5。「懸命に介護をして疲れていませんか」と話を聴く。
障害の理解(10問)
ノーマライゼーション(normalization)の理念を8つの原理にまとめた人物として、正しいものを1つ選びなさい。
1。ニィリエ(Nirje、B.)
2。バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen、N.)
3。ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger、W.)
4。ロバーツ(Roberts、E.)
5。ソロモン(Solomon、B.)
世界保健機関(WHO)によるリハビリテーションの定義で、「利き手の交換」が該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1。職業的リハビリテーション
2。医学的リハビリテーション
3。経済的リハビリテーション
4。教育的リハビリテーション
5。社会的リハビリテーション
対麻痺を生じる疾患として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。筋萎縮性側索硬化症(amyotrophiclateralsclerosis:ALS)
2。腰髄損傷(lumbarspinalcordinjury)
3。悪性関節リウマチ(malignantrheumatoidarthritis)
4。パーキンソン病(Parkinsondisease)
5。脊髄小脳変性症(spinocerebellardegeneration)
統合失調症(schizophrenia)の特徴的な症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。妄想
2。躁うつ
3。強迫観念
4。振戦せん妄
5。見捨てられ不安
知的障害の特徴に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。成人期に出現する。
2。てんかん(epilepsy)の合併率が高い。
3。有病率は女性が高い。
4。重度・最重度が大半を占める。
5。遺伝性の障害が大半を占める。
発達障害者が一般就労に向けて利用するサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。行動援護
2。就労定着支援
3。職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援
4。同行援護
5。就労継続支援B型
網膜色素変性症(retinitispigmentosa)の初期の症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。硝子体出血
2。口内炎
3。眼圧上昇
4。夜盲
5。水晶体の白濁
上田敏による障害受容のステージ理論の5つの心理過程のうち、最初の段階として、正しいものを1つ選びなさい。
1。受容期
2。否定期
3。ショック期
4。混乱期
5。解決への努力期
関節リウマチ(rheumatoidarthritis)の人の日常生活上の留意点として、適切なものを1つ選びなさい。
1。いすは低いものを使う。
2。膝を曲げて寝る。
3。かばんの持ち手を手で握る。
4。ドアの取っ手は丸いものを使う。
5。身体を洗うときはループ付きタオルを使う。
右利きのCさん(73歳、男性)は脳梗塞(cerebral infarction)を発症して、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。左片麻痺(ひだりかたまひ)のため、歩行は困難である。他の患者とも交流せず、病室に閉じこもりがちであったため、多職種チームによるカンファレンス(conference)が開かれた。
現時点のCさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。利き手の交換
2。階段昇降訓練
3。義足の製作
4。プッシュアップ訓練
5。心理カウンセリング
医療的ケア(5問)
次のうち、スタンダードプリコーション(standardprecautions:標準予防策)において、感染する危険性のあるものとして取り扱う対象を1つ選びなさい。
1。汗
2。唾液
3。経管栄養剤
4。傷のない皮膚
5。未使用の吸引チューブ
喀痰吸引の実施が必要と判断された利用者に対して、喀痰吸引を行うことに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。日中は、1時間おきに吸引を行う。
2。食後の吸引は避ける。
3。入浴時は、その前後に吸引を行う。
4。就寝後は吸引を控える。
5。仰臥位を2時間保ってから行う。
気管切開をして人工呼吸器を使用している人の喀痰吸引に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。気管カニューレを抜いて、吸引を行う。
2。頸部を前屈した姿勢にして、吸引を行う。
3。1回の吸引時間は、20~30秒とする。
4。吸引チューブの挿入の深さは、気管分岐部の手前までである。
5。吸引を終了した後は、人工呼吸器の作動状況を確認する。
胃ろうによる経管栄養の実施手順として、栄養剤を利用者のところに運んだ後の最初の行為として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。体位の確認
2。物品の劣化状況の確認
3。栄養剤の指示内容の確認
4。本人であることの確認
5。経管栄養チューブの固定状況の確認
イルリガートル(注入ボトル)を用いた経鼻経管栄養に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。栄養剤は、半固形化栄養剤を用いる。
2。嘔気があるときは、注入速度を遅くして滴下する。
3。イルリガートルに栄養剤を入れてから、2時間後に滴下する。
4。栄養剤の液面は、胃から50cm程度高くする。
5。使用した物品は、消毒用エタノールにつけて消毒をする。
介護の基本(10問)
2012年度(平成24年度)「高齢者の健康に関する意識調査結果」(内閣府)の介護を受けたい場所に関する次の選択肢のうち、最も多かったものを1つ選びなさい。
1。「子どもの家で介護してほしい」
2。「介護老人福祉施設に入所したい」
3。「自宅で介護してほしい」
4。「病院などの医療機関に入院したい」
5。「民間の有料老人ホームなどを利用したい」
社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の義務として、適切なものを1つ選びなさい。
1。家族介護者の介護離職の防止
2。医学的管理
3。日常生活への適応のために必要な訓練
4。福祉サービス関係者等との連携
5。子育て支援
茶道の師範だったFさん(87歳、女性、要介護3)は、70歳の時に夫を亡くし、それ以降は一人暮らしを続けていた。79歳の頃、定期的に実家を訪ねていた長男が、物忘れが目立つようになった母親に気づいた。精神科を受診したところ、アルツハイマー型認知症(dementiaoftheAlzheimer’stype)と診断された。
昨年から小規模多機能型居宅介護を利用しているが、最近は、宿泊サービスの利用が次第に多くなってきている。Fさんは来所しても寝ていることが多く、以前に比べると表情の乏しい時間が増えてきている。
介護福祉職がFさんの生活を支えるための介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。Fさんが安心して暮らせるように、長男に施設入所を勧める。
2。夜間に熟睡できるよう、日中は宿泊室に入らないように説明する。
3。長く茶道を続けてきたので、水分補給は緑茶に変更する。
4。心を落ち着かせるために、読書を勧める。
5。茶道の師範だったので、お茶のたて方を話題にする。
Gさん(68歳、女性、要介護2)は、小学校の教員として定年まで働いた。Gさんは、3年前にアルツハイマー型認知症(dementiaoftheAlzheimer’stype)と診断された。夫は既に亡くなっており、長男(30歳)と一緒に暮らしている。週に2回通所介護(デイサービス)に通い、レクリエーションでは歌の伴奏をよくしている。その他の日は、近所の人や民生委員、小学校の教え子たちがGさん宅を訪問し、話し相手になっている。
最近、Gさんは食事をとることを忘れていたり、トイレの場所がわからず失敗したりすることが多くなった。
介護福祉職が、Gさんの現状をアセスメント(assessment)した内容と、ICF(InternationalClassificationofFunctioning、DisabilityandHealth:国際生活機能分類)の構成要素の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。アルツハイマー型認知症(dementiaoftheAlzheimer’stype)は、「心身機能・身体構造」にあたる。
2。レクリエーションで歌の伴奏をすることは、「参加」にあたる。
3。近所の人や民生委員、小学校の教え子は、「個人因子」にあたる。
4。小学校の教員をしていたことは、「環境因子」にあたる。
5。トイレの場所がわからなくなることは、「健康状態」にあたる。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。このサービスのオペレーターは、サービス提供責任者のことである。
2。利用者の状態の変化に応じて、随時訪問サービスを利用することができる。
3。介護・看護一体型では、訪問看護サービスを利用しても介護報酬は同一である。
4。日常生活上の緊急時の対応は行っていない。
5。要支援者、要介護者のどちらも利用できる。
防災に関する次の図記号が意味している内容として、正しいものを1つ選びなさい。
1。避難所
2。避難場所
3。土石流注意
4。地滑り注意
5。津波注意
介護福祉職の職務上の倫理に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。おむつ交換をスムーズに行うために、利用者の居室(個室)のドアを開けておいた。
2。訪問介護(ホームヘルプサービス)中に携帯電話が鳴ったので、電話で話しながら介護した。
3。ベッドから転落した利用者が「大丈夫」と言ったので、そのままベッドに寝かせた。
4。利用者から、入院している他の利用者の病状を聞かれたが話さなかった。
5。利用者が車いすから立ち上がらないように、腰ベルトをつけた。
施設の介護における安全の確保に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。職員に対して安全に関する研修を定期的に行う。
2。施設管理者の安全を第一に考える。
3。利用者の社会的な活動を制限する。
4。利用者に画一的なサービスを提供する。
5。安全対策は事故後に行う。
介護老人福祉施設の感染対策に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。感染対策のための委員会を開催することは任意である。
2。手洗いは、消毒液に手を浸して行う。
3。洗面所のタオルは共用にする。
4。入所者の健康状態の異常を発見したら、すぐに生活相談員に報告する。
5。おむつ交換は、使い捨て手袋を着用して行うことが基本である。
燃え尽き症候群(バーンアウト(burnout))の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。首から肩、腕にかけて凝りや痛みが生じる。
2。人格・行動変化や失語がみられる。
3。無気力感、疲労感や無感動がみられる。
4。身体機能の低下がみられる。
5。日中に耐え難い眠気が生じる。
コミュニケーション技術(6問)
Hさん(75歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)を発症して入院し、後遺症として左片麻痺(ひだりかたまひ)が残った。退院後、介護老人保健施設に入所し、在宅復帰を目指してリハビリテーションに取り組んでいる。
ある日、HさんはJ介護福祉職に、「リハビリを頑張っているけれど、なかなかうまくいかない。このままで自宅に戻れるようになるのか…」と暗い表情で話しかけてきた。
このときの、Hさんに対するJ介護福祉職の共感的な応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。「不安な気持ちに負けてはいけません」
2。「きっと自宅に戻れますよ」
3。「Hさんが不安に思う必要はありません」
4。「不安に思っているHさんがかわいそうです」
5。「リハビリがうまくいかなくて不安なのですね」
Kさん(75歳、女性)は、小学校教諭を定年退職した後、しばらく趣味やボランティア活動を楽しんでいたが、認知症(dementia)を発症し、介護老人福祉施設に入所した。見当識障害や記憶力低下がみられた。
入所後、初めて息子夫婦が面会に来た。Kさんは息子に向かって、「ここで、国語を教えているの」と嬉しそうに語った。息子夫婦は面会を終えて、介護福祉職のところに相談したいとやって来た。困惑したような表情の息子から、「母が、学校で教えていると言った時、どうしたらよいでしょうか」と質問があった。
このときの、息子に対する応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。「ここは学校ではないので、息子さんから直してあげてください」
2。「お母さんの教員としての誇りを大切にしてあげてください」
3。「お母さんの認識を改めるための何か良い知恵はありますか」
4。「認知症(dementia)が進行しているので仕方ありません」
5。「私たちも息子さんと同じように困っているんです」
Kさん(75歳、女性)は、小学校教諭を定年退職した後、しばらく趣味やボランティア活動を楽しんでいたが、認知症(dementia)を発症し、介護老人福祉施設に入所した。見当識障害や記憶力低下がみられた。
入所後、初めて息子夫婦が面会に来た。Kさんは息子に向かって、「ここで、国語を教えているの」と嬉しそうに語った。息子夫婦は面会を終えて、介護福祉職のところに相談したいとやって来た。困惑したような表情の息子から、「母が、学校で教えていると言った時、どうしたらよいでしょうか」と質問があった。
Kさんの病状は進み、自分から話すことはほとんどなくなり、こちらの問いかけにも応えたり応えなかったり、という状況になった。
このようなKさんとコミュニケーションをとる方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。沈黙を守る。
2。表情を一定に保つ。
3。開かれた質問を使う。
4。ボディタッチを増やす。
5。コミュニケーションノートを使う。
Lさん(30歳、女性)は、パートタイムで仕事をしながら、自宅で母の介護をしてきた。ある日、母の訪問介護(ホームヘルプサービス)で訪れたM訪問介護員(ホームヘルパー)に対して、Lさんは、「寝ている間に頭の中に機械が埋め込まれて、行動を監視されている」と興奮気味に訴えた。
このときのM訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。それは現実のことではないと説明する。
2。気にしなくてもよいと話をそらす。
3。Lさんの訴えを肯定も否定もせずに聞く。
4。監視されているのは間違いないと肯定する。
5。Lさんの感情に合わせて興奮気味に接する。
叙述体を用いて介護記録を作成するときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。情報を項目別に整理する。
2。問題のポイントを明確にする。
3。介護福祉職の解釈を記録する。
4。論点を明確にする。
5。利用者に起こったことをそのまま記録する。
介護福祉職が行う報告の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。報告するときは、自分の意見を最初に述べる。
2。予定より時間がかかる業務であっても、完了後に報告する。
3。起こった事実は、抽象的な言葉で報告する。
4。指示を受けた業務の報告は、指示者に行う。
5。自分の推測を、事実であるとみなして伝える。
生活支援技術(26問)
下記のマークが表しているものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1。肢体不自由のある人が運転する自動車
2。障害者が利用できる建物、施設
3。義肢や義足などで援助や配慮を必要としている人
4。オストメイトであること、オストメイトのための設備があるトイレ
5。障害者の就労支援に取り組んでいる企業
Aさん(38歳)は、共同生活援助(グループホーム)に入居している。料理が得意で、普段はエプロンを身に着けて揚げ物料理をガスコンロで作っている。
防火を意識した調理支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。調理材料は、ガスコンロの周辺に置く。
2。調理をするときは、袖口を絞った衣類を着てもらう。
3。調理に時間がかかるときは、鍋から離れてもらう。
4。火災警報器は、床に近い部分に設置する。
5。強い火力で調理してもらう。
歩行が可能な脊髄小脳変性症(spinocerebellardegeneration)の高齢者の転倒予防に留意した環境整備に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。弾力性が高い床材を使用する。
2。洋式トイレの予備のトイレットぺーパーは足元に置く。
3。頻繁に移動する場所には手すりを取りつける。
4。調理用具は、頭上のつり棚に収納する。
5。いすにキャスターをつける。
介護福祉職が行う身じたく・整容の支援と使用する道具の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。ベッド上での口腔ケア — ガーグルベースン
2。浴室での洗髪 — ドライシャンプー
3。総義歯の洗浄 — 歯磨剤
4。耳垢(耳あか)の除去 — ピンセット
5。ベッド上での洗顔 — 冷水で絞ったタオル
ベッド上で臥床(がしょう)したままの利用者に行う和式寝衣の交換の介護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。袖を抜くときは手→肘→肩の順で行う。
2。脱いだ寝衣を広げ、その上に新しい寝衣を重ねて広げる。
3。利用者の脊柱と新しい寝衣の背縫いの部分を合わせる。
4。左前身頃の上に、右前身頃を重ねる。
5。腰紐は結び目が背中に回るように結ぶ。
入居施設で生活する利用者が車いすを使用して外出するときに、介護福祉職が計画、準備することとして、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1。長時間の外出を企画する。
2。家族に同行を依頼する。
3。外出先の経路情報を集める。
4。折り畳み傘を用意する。
5。介助ベルトを用意する。
選択肢1から5の順で、ベッドから車いすへ全介助で移乗するときの、利用者の動作と、介護福祉職の身体の使い方の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。上半身を起こす — 手首で持ち上げる
2。ベッドの端に座る — 踵を浮かせて、低くかがむ
3。立ち上がる — 前腕で真上に引き上げる
4。車いすに移る — 重心を安定させて、車いすへ足先と身体を向ける
5。深く座り直す — 座り直す方向に向けて、上下の重心移動をする
Bさん(84歳、男性)は、生活全般に介護を必要としている。ベッド上に仰臥位でいるBさんは、喘息があり、咳込みが続き呼吸が苦しくなり、「楽な姿勢にしてほしい」と訴えた。
介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。枕を外して、顔を横に向けて腹臥位にする。
2。枕を重ねて、頭を高くする。
3。左側臥位にして、背中にクッションを当てる。
4。半座位(ファーラー位)にする。
5。オーバーベッドテーブルの上に枕を置いて、上半身を伏せる。
手首に変形や痛みがみられる関節リウマチ(rheumatoidarthritis)の利用者が、歩行時に使用する杖として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。前腕固定型杖(ロフストランドクラッチ(Lofstrandcrutch))
2。前腕支持型杖(プラットホームクラッチ(Platformcrutch))
3。松葉杖
4。多点杖
5。歩行器型杖
身体機能の変化に応じた食事の提供と対応方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。咀嚼力の低下に対しては、麺類を中心とした食事で栄養を補う。
2。味覚の低下に対しては、塩分を増やして味付けを濃くする。
3。腸の蠕動運動の低下に対しては、食物繊維の多い食品を取り入れる。
4。口渇感の低下に対しては、脱水予防のために酸味のある味付けにする。
5。唾液分泌の低下に対しては、食後にアイスマッサージをする。
いすに座っている右片麻痺の利用者の食事介護時の留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。口の右側に食物を入れる。
2。利用者の左腕はテーブルの上にのせたままにしておく。
3。刻み食にする。
4。上唇にスプーンを運ぶ。
5。一口ごとに、飲み込みを確認する。
たんぱく質・エネルギー低栄養状態(PEM:ProteinEnergyMalnutrition)が疑われる状況として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。要介護度が改善した。
2。1か月に3%以上の体重減少があった。
3。体格指数(BMI)が25.0以上になった。
4。低血圧症状が現れた。
5。声が枯れるようになった。
ベッド上で足浴を実施するときの基本的な手順や方法として、適切なものを1つ選びなさい。
1。ベッドの足元をギャッジアップする。
2。お湯の温度の確認は、利用者、介護福祉職の順に行う。
3。ズボンを脱がせて、下肢を露出する。
4。洗う側の足関節を保持しながら洗う。
5。両足を一度に持ち上げて、すすぐ。
長期臥床している高齢者に、ケリーパッドを使用して行うベッド上での洗髪に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。膝を伸ばした仰臥位で行う。
2。頭皮に直接お湯をかけて、生え際を濡らす。
3。後頭部を洗う時は、頭部を前屈させる。
4。すすぐ前に、タオルで余分な泡を拭き取る。
5。すすぎは高い位置からお湯をかける。
皮膚の乾燥が強くなった高齢者の入浴介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。アルカリ性の石鹸で洗う。
2。こすらないように洗う。
3。硫黄を含む入浴剤を使用する。
4。42℃以上のお湯で入浴する。
5。保湿剤は、皮膚が十分に乾いてから塗る。
ベッド上で腰上げが可能な高齢者への、差し込み便器による排泄介護の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。使用前の便器は温めておく。
2。便器を差し込むときは両脚を伸ばしてもらう。
3。男性の場合は、トイレットペーパーを陰茎の先端に当てておく。
4。便器の位置を確認したらベッドを水平にする。
5。排泄中はベッドサイドで待機する。
Cさん(81歳、女性)は、介護老人保健施設に入所している。腹圧性尿失禁があり、トイレでの排泄や下着の交換には介護が必要だが、遠慮して下着の交換を申し出ないことがある。食堂で昼食をとっている最中に激しくむせ込んでいたので背中をさすったところ、むせ込みは収まったが失禁をしたらしく、周囲に尿臭が漂った。
このときの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。尿臭がすることを伝える。
2。下着が濡れていないかと尋ねる。
3。むせた時に尿が漏れなかったかと尋ねる。
4。トイレに誘導して、下着を交換する。
5。Cさんが下着を替えてほしいと言うまで待つ。
数日前から下痢を繰り返している在宅の高齢者について、訪問介護員(ホームヘルパー)が入手すべき次の情報のうち、最も緊急度の高いものを1つ選びなさい。
1。意識の状態
2。食事の内容
3。下痢の回数
4。水分の摂取量
5。肛門部の皮膚の状態
調理環境を清潔に保つための方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。布巾を使った後は、流水で洗う。
2。食器を洗ったスポンジは、軽く絞って洗剤の泡を残す。
3。魚や肉を切ったまな板の汚れは、熱湯で洗い流す。
4。金属製のスプーンの消毒は、塩素系漂白剤に1時間以上つけ置きする。
5。包丁は、刃と持ち手の境目の部分も洗浄して消毒する。
Dさん(84歳、女性、要介護3)は認知症(dementia)があり、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。ある日、Dさんが、訪問介護員(ホームヘルパー)と一緒に衣装ケースを開けたところ、防虫剤がなくなっていた。Dさんは、新しいものを補充してほしいと訪問介護員(ホームヘルパー)に依頼したが、防虫剤の種類や名前はわからないという。
この衣装ケースに補充する防虫剤の種類として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。しょうのう
2。ナフタリン(naphthalene)
3。パラジクロルベンゼン(paradichlorobenzene)
4。シリカゲル(silicagel)
5。ピレスロイド系
利用者から洗濯を依頼された。以下に示す取扱い表示がある場合、乾燥の方法として、適切なものを1つ選びなさい。
1。日当たりのよい場所でつり干しする。
2。日陰でつり干しする。
3。日当たりのよい場所で平干しする。
4。日陰で平干しする。
5。乾燥機を使って高温で乾燥する。
杖歩行している高齢者の寝室の環境整備に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。足元灯を用意する。
2。ベッドの高さは60~65cmにする。
3。マットレスは柔らかいものにする。
4。布団は床に敷く。
5。特殊寝台(介護ベッド)に変更する。
Eさん(78歳、女性)は、30年前に夫を亡くした。姑の介護を8年間一人で行い、1年前に自宅で看取った。隣県に住む息子に促されて介護付有料老人ホームに入居した。入居して間もないEさんは、「何をしてよいかわからない」と日中は部屋で一人で過ごしている。
ホームでの暮らしに戸惑っているEさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。規則正しい生活を送るように話す。
2。入居前の生活の様子を聞く。
3。ホームの日課を伝える。
4。介護福祉職がホームでの役割を決める。
5。長男に面会に来てもらえるように、生活相談員に依頼する。
介護老人福祉施設で最期まで過ごすことを希望する利用者への対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1。終末期の介護方針を伝えて、意思確認を行う。
2。入所後に意思が変わっても、入所時の意思を優先する。
3。本人の意思よりも家族の意向を優先する。
4。本人の意思確認ができないときは、医師に任せる。
5。意思確認の合意内容は、介護福祉職間で口頭で共有する。
終末期で終日臥床している利用者への便秘予防の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。水分摂取量を減らす。
2。腹部に冷罨法を行う。
3。下剤を用いて直腸を定期的に刺激する。
4。座位姿勢を保持する機会を作る。
5。小腸に沿って腹部マッサージを行う。
Fさん(80歳、女性)は、認知症(dementia)で高齢者施設に10年間入所していたが、死去した。夫(85歳)はFさんが入所中、毎日面会して、Fさんと共通の趣味である詩吟を楽しみ、時間を共に過ごしていた。
夫はFさんが亡くなって1週間後、施設にお礼に訪れて、「毎日通うのは大変だったが、今は話し相手もいなくなり寂しい。自分で料理をする気もなくなり眠れない」と涙を流しながら話をした。
Fさんの夫に対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。気遣いの言葉をかけて、話を聴く。
2。良眠できる方法を助言する。
3。外食を勧める。
4。趣味に打ち込むように勧める。
5。元気を出すように励ます。
介護過程(8問)
介護過程の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。利用者の自立を支援する。
2。画一的に介護を実践する。
3。介護福祉職の尊厳を保持する。
4。家族介護者の自己実現を図る。
5。経験則に基づいて介護を実践する。
利用者の情報収集における留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。生活歴は、介護福祉職の主観的判断を優先する。
2。生活機能は、他職種からの情報も活用する。
3。発言内容は、介護福祉職の解釈を加える。
4。経済状況は、近隣住民の情報から推測する。
5。心身機能は、利用者への聞き取りによって判断する。
生活課題の優先順位を決定する上で、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。利用者が要望する頻度の多いものから決定する。
2。介護福祉職が評価しやすいものから決定する。
3。家族の負担が大きく軽減するものから決定する。
4。緊急性が高いものから決定する。
5。課題に取り組む準備期間が短いものから決定する。
介護計画を実施するときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。介護計画の遂行自体を目的にする。
2。実施内容は個々の介護福祉職に任せる。
3。介護福祉職の満足度を基に継続を判断する。
4。介護計画の変更内容の説明は省略する。
5。利用者の反応や変化を観察する。
Gさん(79歳、男性)は認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。短期目標を「なじみの店で買物ができる(2か月)」として、月3回の買物を計画し実施した。初回は順調であったが、2回目にレジで後ろに並ぶ人から、「遅い、早くして」と言われて、H介護福祉職が支払った。GさんはH介護福祉職に、「ほしい物を選んでも、自分で支払わないと買った気にならん」と言い、その後、楽しみにしていた買物に行かなくなった。
ICF(InternationalClassificationofFunctioning、DisabilityandHealth:国際生活機能分類)の視点に基づいて介護計画の内容を見直すにあたり、最も配慮すべき構成要素を1つ選びなさい。
1。身体構造
2。個人因子
3。心身機能
4。環境因子
5。活動
Jさん(71歳、男性)は20歳から造園業を営んでいた。2か月前に脚立から転落して、右大腿骨頸部骨折(みぎだいたいこつけいぶこっせつ)(femoral neck fracture)で入院した。骨折部位は順調に回復し、
下肢機能訓練により杖歩行も可能であると診断されている。しかし、訓練への参加は消極的であり、入院中は車いすで過ごしていた。退院後は自宅で過ごしたいという希望から、下肢筋力に対する機能訓練で5日前に介護老人保健施設に入所した。
入所後のJさんは、日中のほとんどをベッド上でテレビを見て過ごしている。排泄に関する移乗を依頼する以外に職員に話しかけることはなく、食事をしていても他者との会話はみられない。Jさんの表情が穏やかなときに歩行訓練に参加を促すが、「ああ、うん…」と言うだけで訓練に参加していない。
面会に来た妻によると、Jさんは、「施設で訓練しても歩けるようになるはずはない」と話していたということだった。また、妻は、「仕事が大好きで、仕事ができないことに相当落ち込んでいるようだ」と話した。
Jさんに対する長期目標の方向性として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。病院で機能訓練をすること
2。施設での生活に慣れること
3。造園業に再び携わること
4。話し相手を見つけること
5。新しい趣味を見つけること
Jさん(71歳、男性)は20歳から造園業を営んでいた。2か月前に脚立から転落して、右大腿骨頸部骨折(みぎだいたいこつけいぶこっせつ)(femoral neck fracture)で入院した。骨折部位は順調に回復し、
下肢機能訓練により杖歩行も可能であると診断されている。しかし、訓練への参加は消極的であり、入院中は車いすで過ごしていた。退院後は自宅で過ごしたいという希望から、下肢筋力に対する機能訓練で5日前に介護老人保健施設に入所した。
入所後のJさんは、日中のほとんどをベッド上でテレビを見て過ごしている。排泄に関する移乗を依頼する以外に職員に話しかけることはなく、食事をしていても他者との会話はみられない。Jさんの表情が穏やかなときに歩行訓練に参加を促すが、「ああ、うん…」と言うだけで訓練に参加していない。
面会に来た妻によると、Jさんは、「施設で訓練しても歩けるようになるはずはない」と話していたということだった。また、妻は、「仕事が大好きで、仕事ができないことに相当落ち込んでいるようだ」と話した。
在宅復帰を目指すJさんに対する短期目標を、「外出することができる(1週間)」とした。短期目標に基づく支援内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。車いすで20~30分過ごしてもらう。
2。歩行器の使用を促す。
3。下肢を1日1回外転する。
4。トイレへの移乗訓練を行う。
5。骨折部位の回復を確認する。
Kさん(82歳、女性)は、身寄りがなく自宅で一人暮らしをしている。週1回利用している通所介護(デイサービス)で送迎を担当しているL介護福祉職は、Kさんから、「この間、いつもより膝の痛みが強くなって玄関で立てなくなった。ちょうど民生委員さんが来てくれて、一緒に受診して痛みは治まったの。医師から膝は痛むことがあるが生活に支障はないと言われたけど、いつまでこの家にいられるかしら」と打ち明けられた。
その日の夕方、自宅へ送った時にKさんは、「施設の生活はにぎやかで、さぞ楽しいでしょうね」と話して、涙ぐんだ。発言を受けて、その場で本人の同意を取り、翌日、事業所内のカンファレンス(conference)が行われた。
L介護福祉職が話す内容として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1。膝の痛みがなくならない理由
2。身寄りがないこと
3。施設に入所するタイミング
4。玄関で活用できる福祉用具
5。在宅生活の継続への不安
総合問題(12問)
Fさん(78歳、男性)は、妻(75歳)と二人で暮らしていた。1か月前に脳出血(cerebralhemorrhage)で入院して、左半身の不全麻痺がある。立ち上がりや歩行に介助が必要なため、杖や手すりを使用した歩行訓練をして、杖歩行が可能になった。病院のソーシャルワーカーの勧めで、Fさんは介護保険の申請をして結果を待っていた。ある日、「医師から退院の許可が出た」と、妻から介護支援専門員(ケアマネジャー)に連絡があった。
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、「Fさんの退院後の在宅サービスを検討したいので病院に集まってほしい」と、在宅支援の関係者に会議への参加を依頼した。訪問介護員(ホームヘルパー)は、ケアプランの検討のために病院に行って、会議に参加した。会議には、主治医、病棟看護師、理学療法士も参加した。トイレで転ぶのではないかというFさんの心配について話し合った結果、トイレに手すりが必要だということになった。また、左足指に白癬(tinea)があり、薬が処方されていることも確認された。
介護支援専門員(ケアマネジャー)が招集した会議として、正しいものを1つ選びなさい。
1。退院前カンファレンス
2。サービス担当者会議
3。支援調整会議
4。地域ケア会議
5。介護・医療連携推進会議
Fさん(78歳、男性)は、妻(75歳)と二人で暮らしていた。1か月前に脳出血(cerebralhemorrhage)で入院して、左半身の不全麻痺がある。立ち上がりや歩行に介助が必要なため、杖や手すりを使用した歩行訓練をして、杖歩行が可能になった。病院のソーシャルワーカーの勧めで、Fさんは介護保険の申請をして結果を待っていた。ある日、「医師から退院の許可が出た」と、妻から介護支援専門員(ケアマネジャー)に連絡があった。
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、「Fさんの退院後の在宅サービスを検討したいので病院に集まってほしい」と、在宅支援の関係者に会議への参加を依頼した。訪問介護員(ホームヘルパー)は、ケアプランの検討のために病院に行って、会議に参加した。会議には、主治医、病棟看護師、理学療法士も参加した。トイレで転ぶのではないかというFさんの心配について話し合った結果、トイレに手すりが必要だということになった。また、左足指に白癬(tinea)があり、薬が処方されていることも確認された。
図はFさん宅のトイレである。
手すりを設置する位置として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。A
2。B
3。C
4。D
5。E
Fさん(78歳、男性)は、妻(75歳)と二人で暮らしていた。1か月前に脳出血(cerebralhemorrhage)で入院して、左半身の不全麻痺がある。立ち上がりや歩行に介助が必要なため、杖や手すりを使用した歩行訓練をして、杖歩行が可能になった。病院のソーシャルワーカーの勧めで、Fさんは介護保険の申請をして結果を待っていた。ある日、「医師から退院の許可が出た」と、妻から介護支援専門員(ケアマネジャー)に連絡があった。
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、「Fさんの退院後の在宅サービスを検討したいので病院に集まってほしい」と、在宅支援の関係者に会議への参加を依頼した。訪問介護員(ホームヘルパー)は、ケアプランの検討のために病院に行って、会議に参加した。会議には、主治医、病棟看護師、理学療法士も参加した。トイレで転ぶのではないかというFさんの心配について話し合った結果、トイレに手すりが必要だということになった。また、左足指に白癬(tinea)があり、薬が処方されていることも確認された。
訪問介護員(ホームヘルパー)が、自宅に戻ったFさんの皮膚疾患に関する日常生活上の留意点を妻に指導する内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。からだを温める。
2。足を乾燥させる。
3。着衣や寝具は熱処理する。
4。足にワセリンを塗る。
5。処方された塗り薬は気がついたときに塗る。
Gさん(84歳、女性)は、8年前に経済的な理由から養護老人ホームに入所した。Gさんは、「自分のことは、自分でやりたい」といつも話しており、毎朝の体操が日課であった。施設のプログラムである健康体操にも他の利用者と楽しみながら毎週参加していた。しかし、最近は、足がすくんだようになり、始めの一歩をうまく出せず、歩行に不安を抱えるようになった。
Gさんは、物忘れなどの症状が以前からみられていたこと、また他の症状もみられるようになったことから、医師の診察を受けたところ、レビー小体型認知症(dementiawithLewybodies)と診断された。
Gさんは、居室の前にあるトイレに行くとき、転倒してけがをするのではないかと不安になっている。Gさんが入所している施設は、N県から介護保険サービス事業者の指定を受けている。この施設で生活を続けたいというGさんの意向を受けて、本人を交えて施設職員と介護支援専門員(ケアマネジャー)が支援の内容を検討した。
Gさんが診察を受けるきっかけとなった他の症状とは、発症した認知症(dementia)の特徴的な症状の一つである。他の症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。片麻痺
2。脱抑制
3。幻視
4。常同行動
5。感情失禁
Gさん(84歳、女性)は、8年前に経済的な理由から養護老人ホームに入所した。Gさんは、「自分のことは、自分でやりたい」といつも話しており、毎朝の体操が日課であった。施設のプログラムである健康体操にも他の利用者と楽しみながら毎週参加していた。しかし、最近は、足がすくんだようになり、始めの一歩をうまく出せず、歩行に不安を抱えるようになった。
Gさんは、物忘れなどの症状が以前からみられていたこと、また他の症状もみられるようになったことから、医師の診察を受けたところ、レビー小体型認知症(dementiawithLewybodies)と診断された。
Gさんは、居室の前にあるトイレに行くとき、転倒してけがをするのではないかと不安になっている。Gさんが入所している施設は、N県から介護保険サービス事業者の指定を受けている。この施設で生活を続けたいというGさんの意向を受けて、本人を交えて施設職員と介護支援専門員(ケアマネジャー)が支援の内容を検討した。
Gさんの移動に関する支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。床にある目印をまたぐように声かけをする。
2。車いすで移動する。
3。居室にカーペットを敷く。
4。歩幅を小さくするように声かけをする。
5。四点杖の使用を勧める。
Gさん(84歳、女性)は、8年前に経済的な理由から養護老人ホームに入所した。Gさんは、「自分のことは、自分でやりたい」といつも話しており、毎朝の体操が日課であった。施設のプログラムである健康体操にも他の利用者と楽しみながら毎週参加していた。しかし、最近は、足がすくんだようになり、始めの一歩をうまく出せず、歩行に不安を抱えるようになった。
Gさんは、物忘れなどの症状が以前からみられていたこと、また他の症状もみられるようになったことから、医師の診察を受けたところ、レビー小体型認知症(dementiawithLewybodies)と診断された。
Gさんは、居室の前にあるトイレに行くとき、転倒してけがをするのではないかと不安になっている。Gさんが入所している施設は、N県から介護保険サービス事業者の指定を受けている。この施設で生活を続けたいというGさんの意向を受けて、本人を交えて施設職員と介護支援専門員(ケアマネジャー)が支援の内容を検討した。
Gさんの意向を踏まえた介護保険サービスとして、正しいものを1つ選びなさい。
1。看護小規模多機能型居宅介護
2。小規模多機能型居宅介護
3。短期入所療養介護
4。特定施設入居者生活介護
5。認知症対応型共同生活介護
Hさん(26歳、女性)は、腰髄損傷(lumbarspinalcordinjury)で両下肢麻痺の障害があり、車いすを使用してADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)は自立している。銀行で働きながら一人暮らしをして、休日は、友人とスキューバダイビングを楽しんでいた。Hさんは、こだわりや責任感が強く真面目で、悩みごとを打ち明けられない性格であった。
ある日、友人が表情の暗いHさんを心配して話を聞いてみると、「食事が喉を通らず、頭痛や思考力低下があり、寝つきは良いが、すぐに目が覚めて眠れず、仕事上のミスが続き仕事に行けない日がある」と話した。友人の勧めで専門医を受診した結果、Hさんはうつ病(depression)と診断された。
その後、治療を受けながら仕事を続けていたが、激しい動悸、息苦しさ、めまいを伴うパニック発作が繰り返し起こり、仕事を休職して治療に専念することにした。
Hさんの睡眠障害として、正しいものを1つ選びなさい。
1。レストレスレッグス症候群(restlesslegssyndrome)
2。概日リズム睡眠障害(circadianrhythmsleepdisorder)
3。レム睡眠行動障害(REMsleepbehaviordisorder)
4。環境因性睡眠障害
5。中途覚醒
Hさん(26歳、女性)は、腰髄損傷(lumbarspinalcordinjury)で両下肢麻痺の障害があり、車いすを使用してADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)は自立している。銀行で働きながら一人暮らしをして、休日は、友人とスキューバダイビングを楽しんでいた。Hさんは、こだわりや責任感が強く真面目で、悩みごとを打ち明けられない性格であった。
ある日、友人が表情の暗いHさんを心配して話を聞いてみると、「食事が喉を通らず、頭痛や思考力低下があり、寝つきは良いが、すぐに目が覚めて眠れず、仕事上のミスが続き仕事に行けない日がある」と話した。友人の勧めで専門医を受診した結果、Hさんはうつ病(depression)と診断された。
その後、治療を受けながら仕事を続けていたが、激しい動悸、息苦しさ、めまいを伴うパニック発作が繰り返し起こり、仕事を休職して治療に専念することにした。
Hさんの食欲不振や睡眠障害は改善せず、日常生活に介護が必要になり居宅介護を利用し始めた。半年ほど経過した頃、「早く良くなりたい」と介護福祉職に話した。
介護福祉職が、Hさんのつらい思いを受容した上でかける言葉として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。「早く良くなってくださいね」
2。「すぐに治りますよ」
3。「ゆっくり休むことも必要ですよ」
4。「治療、頑張ってくださいね」
5。「気分転換に旅行に行くといいですよ」
Hさん(26歳、女性)は、腰髄損傷(lumbarspinalcordinjury)で両下肢麻痺の障害があり、車いすを使用してADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)は自立している。銀行で働きながら一人暮らしをして、休日は、友人とスキューバダイビングを楽しんでいた。Hさんは、こだわりや責任感が強く真面目で、悩みごとを打ち明けられない性格であった。
ある日、友人が表情の暗いHさんを心配して話を聞いてみると、「食事が喉を通らず、頭痛や思考力低下があり、寝つきは良いが、すぐに目が覚めて眠れず、仕事上のミスが続き仕事に行けない日がある」と話した。友人の勧めで専門医を受診した結果、Hさんはうつ病(depression)と診断された。
その後、治療を受けながら仕事を続けていたが、激しい動悸、息苦しさ、めまいを伴うパニック発作が繰り返し起こり、仕事を休職して治療に専念することにした。
Hさんは仕事を休職して治療に専念した結果、趣味のスキューバダイビングが楽しめるまでに回復した。介護福祉職に、「仕事に復帰しようと思っている」と話した。
介護福祉職が紹介するサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。リワークプログラム
2。レスパイトサービス(respiteservice)
3。ピアカウンセリング(peercounseling)
4。セルフヘルプグループ(self-helpgroup)
5。ガイドヘルプサービス
Jさん(女性)は、介護福祉士養成施設の学生である。Jさんは、希望していた障害児入所施設で実習をすることになった。この実習では、障害特性を理解して、介護実践の在り方を学ぶだけではなく、個別支援計画(介護計画)作成と実施、評価までの介護過程の展開を学ぶことになっていた。
Jさんは、対象となる利用者としてK君(15歳、男性)を担当することになった。K君は重度の脳性麻痺(cerebralpalsy)がある。K君が2歳の時に両親は離婚して、母親が一人でK君を育てていた。母子の生活は困窮していた。K君が9歳の時に、母親はK君を施設に入所させることを希望し、この施設に入所することになった。現在K君は、言語による意思の疎通は困難であり、座位が保持できる程度である。また、てんかん(epilepsy)の発作(強直間代発作)が時々みられるが、重積発作ではない。
K君が入所している施設の根拠となる法律として、正しいものを1つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
1。母子及び父子並びに寡婦福祉法
2。「障害者総合支援法」
3。生活保護法
4。児童虐待の防止等に関する法律
5。児童福祉法
Jさん(女性)は、介護福祉士養成施設の学生である。Jさんは、希望していた障害児入所施設で実習をすることになった。この実習では、障害特性を理解して、介護実践の在り方を学ぶだけではなく、個別支援計画(介護計画)作成と実施、評価までの介護過程の展開を学ぶことになっていた。
Jさんは、対象となる利用者としてK君(15歳、男性)を担当することになった。K君は重度の脳性麻痺(cerebralpalsy)がある。K君が2歳の時に両親は離婚して、母親が一人でK君を育てていた。母子の生活は困窮していた。K君が9歳の時に、母親はK君を施設に入所させることを希望し、この施設に入所することになった。現在K君は、言語による意思の疎通は困難であり、座位が保持できる程度である。また、てんかん(epilepsy)の発作(強直間代発作)が時々みられるが、重積発作ではない。
Jさんは、K君の支援計画作成に責任を持つ職員に計画作成の注意点などを聞きたいと、実習指導者に相談した。
K君の支援計画作成に責任を持つ職員として、正しいものを1つ選びなさい。
1。生活支援員
2。児童自立支援専門員
3。サービス提供責任者
4。児童発達支援管理責任者
5。相談支援専門員
Jさん(女性)は、介護福祉士養成施設の学生である。Jさんは、希望していた障害児入所施設で実習をすることになった。この実習では、障害特性を理解して、介護実践の在り方を学ぶだけではなく、個別支援計画(介護計画)作成と実施、評価までの介護過程の展開を学ぶことになっていた。
Jさんは、対象となる利用者としてK君(15歳、男性)を担当することになった。K君は重度の脳性麻痺(cerebralpalsy)がある。K君が2歳の時に両親は離婚して、母親が一人でK君を育てていた。母子の生活は困窮していた。K君が9歳の時に、母親はK君を施設に入所させることを希望し、この施設に入所することになった。現在K君は、言語による意思の疎通は困難であり、座位が保持できる程度である。また、てんかん(epilepsy)の発作(強直間代発作)が時々みられるが、重積発作ではない。
Jさんは個別支援計画作成にあたって、昼食後にK君と向き合う時間を多くとった。ある日、K君に話しかけていると、突然両上下肢を硬直させ、がたがた震わせた後、意識を失ってしまった。慌てたJさんはすぐに、近くの職員に連絡をした。
K君の発作が落ち着いた後、実習指導者がJさんに、K君の発作時の対応について教える内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。大声で名前を呼ぶ。
2。タオルを口にくわえさせる。
3。顔を横にして顎を上げる。
4。救急車を呼ぶ。
5。からだを押さえて発作を止める。