介護福祉士 過去問 2017
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人間の尊厳と自立(2問)
Aさん(78 歳、女性)は介護老人福祉施設で生活している。脳血管障害(cerebrovascular disorder)による左片麻痺で、杖を使って歩行し、自力で移動していた。Aさんは、廊下や食堂でいつも職員や他の利用者に声をかけ、誰にでも気遣う人だった。ある日、食堂のいすに足が触れて転倒して、捻挫の痛みで歩くことができなくなり、車いすでの移動になった。捻挫は1週間ほどで完治したが、Aさんは歩くことを拒み、現在でも車いすでの移動を続けている。
Aさんは徐々に口数も少なくなり、「歩くことが不安だ。周りに迷惑をかけてしまう」と言い、何に対しても消極的な様子がみられた。
Aさんに対する介護福祉職の関わりとして、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。Aさんは口数が少ない様子なので、できるだけ話しかけないように心がける。
2。Aさんの自立を考えて、再び歩くことができるように何度も声をかける。
3。仲の良い利用者に、頑張って歩くように励ましてもらう。
4。Aさんの担当の介護福祉職に、再び歩くように説得してもらう。
5。食堂のテーブルやいすの配置を見直して、一緒に歩いてみようと働きかける。
障害児・者に対して、ノーマライゼーション(normalization)の理念を実現するための方策として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。障害の原因となる疾病の完治を目指して治療すること
2。障害種別ごとに、同じ職業に就くことができるように訓練すること
3。障害児と障害者が一緒に施設で暮らすこと
4。普通の生活環境に近づけること
5。障害者の経済的水準を一定にすること
人間関係とコミュニケーション(4問)
自己開示に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。相手に自分のことを良く思ってもらうために行う。
2。初対面の人には、できるだけ多くの情報を開示しながら行う。
3。相手の情報を強制的に引き出すために行う。
4。良好な人間関係を築くために行う。
5。ジョハリの窓(Johari Window)の「開放された部分」(open area)を狭くするために行う。
Bさん(60歳、男性)は、先天的に耳が聞こえないろう者である。ろう学校入学以後、同じ障害のある仲間とのコミュニケーションが心の支えになってきた。数年前に緑内障(glaucoma)を発症して視覚障害が残り、両眼とも外界の明暗が分かる程度の視力となった。
Bさんと円滑なコミュニケーションをとるときの手段として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。触手話
2。筆談
3。点字
4。透明文字盤
5。携帯用会話補助装置
コミュニケーション技術の基本に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。言葉だけではなく、表情やしぐさにも注意しながら聞く。
2。理解できない話には、反応をせずに沈黙する。
3。利用者の発言が正しいかどうかを、評価しながら聞く。
4。介護福祉職が多く発言する方が、良い関係が構築できる。
5。利用者と家族の意見が異なるときは、家族の意見を優先する。
Gさん(38歳、女性)は、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)で、居宅介護を利用して、排泄と入浴の支援を受けながら、日中は車いすで過ごしている。同居の母親も要介護4で、訪問介護(ホームヘルプサービス)と通所介護(デイサービス)を利用しており、定年退職した父親が家事と二人の介護をしている。
ある日、H介護福祉職の前でGさんが、「最近、父親が体調不良でつらそうで…」「私が一人暮らしをした方が父も楽になるんだけど、だめだと言うし…」と言った。
Gさんに共感を示すH介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。父親の気持ちを想像してみるように助言する。
2。Gさんの話に応えながら、気持ちを確認する。
3。障害者の一人暮らしに関する情報を提供する。
4。これからの生活について、自己決定を促す。
5。前向きな話題を出して、Gさんの気持ちを切り替えてもらう。
社会の理解(12問)
健康長寿社会に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。WHO(世界保健機関)は、健康とは病気や障害がないことであると定義している。
2。健康寿命を延ばすために、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)対策が重要である。
3。2010 年(平成 22 年)時点の日本における平均寿命と健康寿命の差は、男性が約 5年、女性が約 8 年である。
4。2014 年(平成 26 年)時点の日本におけるがん(cancer)の部位別にみた死亡者数は、男女ともに胃がん(gastric cancer)が最も多い。
5。「健康日本 21(第2次)」における飲酒に関する目標には、未成年者の飲酒防止は含まれていない。
Cさん(30 歳、女性)は介護老人福祉施設で常勤職員として働いている。出産を来月に控えて、産前 6 週間・産後 8 週間の予定で産休を取ることにした。
産休中のCさんの所得の喪失または減少を補塡するために、医療保険制度から支給されるものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1。出産育児一時金
2。休業補償給付
3。傷病手当金
4。育児休業給付
5。出産手当金
日本の社会保険制度に関する次の記述のうち、適切なものを1 つ選びなさい。
1。加入は、個人が選択できる。
2。保険料だけで運営され、公費負担は行われない。
3。医療保険、年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険の5つである。
4。給付の形態は、現金給付に限られる。
5。保険料は、加入者個人のリスクに見合った額になる。
社会保障給付費に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。サービス関連の給付費を除いて、1年間に給付される現金の総額である。
2。2000 年度(平成 12 年度)以降の給付費に占める介護対策の割合は増加傾向にある。
3。2013 年度(平成25年度)の給付費の総額は約 50 兆円である。
4。2013 年度(平成25年度)の給付費を制度別にみると、社会保険が約 7 割を占めている。
5。2013 年度(平成25年度)の「年金」「医療」「福 祉その他」の部門別割合は約5 対4 対1 である。
介護保険制度における訪問介護(ホームヘルプサービス)のサービスに含まれるものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1。理美容サービス
2。通帳と印鑑の預かり
3。生活等に関する相談・助言
4。庭の草むしり
5。訪問日以外の安否確認
介護保険制度における保険者の役割として、正しいものを1 つ選びなさい。
1。居宅サービス事業者の指定
2。保険給付に関する事務
3。要介護認定の基準の設定
4。介護保険審査会の設置
5。介護支援専門員(ケアマネジャー)の登録
指定介護老人福祉施設に配置が義務づけられている専門職として、正しいものを1 つ選びなさい。
1。介護支援専門員(ケアマネジャー)
2。主任介護支援専門員
3。訪問介護員(ホームヘルパー)
4。サービス提供責任者
5。福祉用具専門相談員
「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。就労における具体的な差別を直接明示している。
2。個人による差別行為への罰則規定がある。
3。行政機関等と事業者に対して、不当な差別的取扱いを禁止している。
4。市町村は、障害者差別解消支援地域協議会を設置しなければならない。
5。障害者の差別に関する相談窓口として、相談支援事業所が指定されている。
Dさん(45 歳、男性)は脊髄損傷(spinal cord injury)による肢体不自由で、身体障害者手帳3級を所持している。同居家族の高齢化もあり、「障害者総合支援法」に基づくサービスを利用するために認定調査を受けたところ、障害支援区分 3と判定された。
Dさんが利用できるサービスとして、正しいものを1 つ選びなさい。
(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
1。療養介護
2。重度訪問介護
3。重度障害者等包括支援
4。短期入所
5。行動援護
「障害者総合支援法」の規定により、地方公共団体が設置する協議会の機能として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
1。障害福祉計画の策定
2。相談支援事業所に対する評価
3。障害福祉サービス利用者の個別支援計画の策定
4。障害者からの苦情の解決
5。障害者等への支援体制に関する課題についての情報共有
Eさん(88歳、女性)は、一人暮らしで親族はいない。収入は年金と所有するアパートの家賃である。介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。最近、認知症(dementia)が進んで、家賃の管理ができなくなった。
家賃の管理に関する訪問介護事業所の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。アパートの管理を不動産屋に委託するように、Eさんに助言する。
2。日常生活自立支援事業の活用を、Eさんに助言する。
3。訪問介護事業所が家賃の集金等を行う。
4。成年後見制度の活用を、担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)に提案する。
5。隣の人に見守りを依頼する。
生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち、適切なものを1 つ選びなさい。
1。生活困窮者に対する自立支援策を強化して、その自立促進を図ることを目的としている。
2。必須事業として、就労準備支援事業がある。
3。任意事業として、自立相談支援事業がある。
4。住宅を確保する必要があると認められた場合には、生活保護法の住宅扶助が優先される。
5。どのような事業でも、NPO法人等へ委託することはできない。
こころとからだのしくみ(12問)
脳の中で記憶をつかさどる部位として、正しいものを1つ選びなさい。
1。延髄
2。海馬
3。視床
4。松果体
5。小脳
副交感神経の作用として、正しいものを1つ選びなさい。
1。気道の弛緩
2。血糖値の上昇
3。消化の促進
4。心拍数の増加
5。瞳孔の散大
身体の症状とその原因となる疾患の組合せのうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。爪の白濁・肥厚---白癬(tinea)
2。皮膚の黄染---腎疾患(renal disease)
3。水晶体の白濁---緑内障(glaucoma)
4。舌苔--- 脳梗塞(cerebral infarction)
5。鼻出血 ---糖尿病(diabetes mellitus)
立位姿勢を維持するための筋肉(抗重力筋)として、正しいものを1つ選びなさい。
1。大腿四頭筋
2。胸鎖乳突筋
3。僧帽筋
4。三角筋
5。大胸筋
骨の強化に役立つこととして、適切なものを1 つ選びなさい。
1。日光を避ける。
2。食物繊維を多く摂取する。
3。ビタミンE(vitamin E)を摂取する。
4。適度な運動をする。
5。炭水化物を制限する。
身長151cm、体重39kg、寝たきりで侵襲がない70歳の女性の基礎代謝量が980kcal と算出された。1日の必要エネルギー量は、基礎代謝量に活動係数とストレス係数を掛けることによって算出できる。
この女性の1日の必要エネルギー量を算出して、最も近い数値を1つ選びなさい。
1。600 kcal
2。900 kcal
3。1、200 kcal
4。1、500 kcal
5。1、800 kcal
摂食・嚥下のプロセスで、軟口蓋が挙上して鼻腔と咽頭部が閉じ、次に喉頭が挙上して喉頭蓋が閉じ、食塊が食道に運ばれる時期として、正しいものを1つ選びなさい。
1。先行期
2。準備期
3。口腔期
4。咽頭期
5。食道期
皮膚に関する次の記述のうち、正しいものを1 つ選びなさい。
1。皮膚の表面は弱アルカリ性に保たれている。
2。皮膚から1 日に約500~600 ml の不感蒸泄がある。
3。汗腺が最も多く分布しているのは額である。
4。体温が低下すると、汗腺が活性化する。
5。高齢期になると、皮脂の分泌が増加する。
感染を起こしていない皮膚の創傷治癒を促す方法として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。乾燥
2。消毒
3。マッサージ
4。湿潤
5。加圧
Gさん(81 歳、女性)は日常生活は自立していて、活発に活動していたが、最近外出することが少なくなった。理由を尋ねると、「くしゃみや咳をしたときに、尿が漏れてしまうことが多くなったから」ということだった。
Gさんの失禁の原因として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。神経疾患
2。骨盤底筋群の機能低下
3。水分のとりすぎ
4。膀胱過敏
5。精神的な影響
高齢者の睡眠の特徴として、正しいものを1つ選びなさい。
1。夜間の睡眠時間が長くなる。
2。眠りが深くなる。
3。早朝覚醒が少なくなる。
4。中途覚醒が多くなる。
5。レム睡眠の時間が増える。
終末期に関する用語の説明として、適切なものを1 つ選びなさい。
1。尊厳死とは、薬物などを用いて意図的に死期を早めて死に至ることである。
2。積極的安楽死とは、自然な状態で死に至ることである。
3。脳死とは、自発呼吸は保たれているが意識がなく昏睡状態にあることである。
4。グリーフケア(grief care)とは、判断能力が失われたときに本人に代わって決定を行う代理人を指定することである。
5。事前指示書とは、意思疎通が困難になったときのために、希望する医療ケアを記載した書類のことである。
発達と老化の理解(8問)
エリクソン(Erikson, E.)の発達段階説において、青年期の発達課題として、正しいものを1つ選びなさい。
1。生殖性の獲得
2。信頼感の獲得
3。同一性の獲得
4。自発性の獲得
5。親密性の獲得
年齢規定に関する次の記述のうち、正しいものを1 つ選びなさい。
1。老人福祉法では、原則として70 歳以上の者を施策の対象としている。
2。介護保険法では、50 歳から第2 号被保険者になる。
3。高齢者の医療の確保に関する法律の後期高齢者医療制度は、60 歳以上の者を対象としている。
4。高年齢者等の雇用の安定等に関する法律では、事業主に、雇用している高年齢者が希望するときは、75 歳まで継続雇用することを義務づけている。
5。道路交通法では、運転免許証の更新を受けようとする75 歳以上の者に、認知機能検査を義務づけている。
高齢者の薬物代謝に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。消化管からの薬剤の吸収力は低下する。
2。肝臓での薬剤の代謝に要する時間が短縮する。
3。腎臓からの薬物排泄量は増加する。
4。脂溶性薬剤の蓄積は起こりにくくなる。
5。複数の薬剤間の相互作用が起こりやすい。
老化に伴う知的機能の変化に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。目から入る感覚記憶は低下しやすい。
2。からだで覚えた手続き記憶は忘れにくい。
3。昨日の出来事などのエピソード記憶は忘れにくい。
4。計算などの流動性知能は低下しにくい。
5。経験や学習で得られた結晶性知能は低下しやすい。
加齢に伴う身体機能の低下を感じている高齢者の心理に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1。身体機能の低下に対する不安や悲しみを、自分が経験しているのではなく、友人のことだと考えることで心理的安定を図ろうとすることを、抑圧という。
2。受け身的で、子どものように振る舞うことで心理的安定を図ろうとすることを、投影という。
3。身体機能の低下の代わりに、認知的な活動での優越感を持つことで心理的安定を図ろうとすることを、補償という。
4。身体機能を使う場面を避けて、ひきこもることで心理的安定を図ろうとすることを、退行という。
5。身体機能の低下に対する不安や悲しみを、無意識的に抑えることで心理的に安定を図ろうとすることを、逃避という。
甲状腺機能低下症(hypothyroidism)の症状として、適切なものを1 つ選びなさい。
1。浮腫
2。下痢
3。動悸
4。いらいら感
5。手の震え
めまいとその症状に関する次の記述のうち、適切なものを1 つ選びなさい。
1。メニエール病(Meniere disease)では、立ちくらみが起こる。
2。良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo)では、回転感がある。
3。低血圧によるめまいは、耳鳴りを伴う。
4。不整脈によるめまいは、頭痛を伴う。
5。脳梗塞(cerebral infarction)では、めまいは起こらない。
Aさん(79歳、女性)は、介護老人福祉施設で生活している。糖尿病(diabetes mellitus)でインスリン治療が必要で、1日に一度、昼食後に自己注射をしていて、併せて毎食直前に血糖を下げる薬を内服している。医師からは血糖のコントロール状態は良好であると言われている。
ある日、Aさんの医療機関の受診が長びいた。B介護福祉職がAさんに遅めの昼食をとってもらう準備をしていると、Aさんが「頭がふらふらする」と訴えた。冷や汗もかいているようである。
B介護福祉職によるAさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。昼食をとらずに、すぐにベッドで休んでもらう。
2。昼食前の内服薬をすぐに飲んでもらう。
3。すぐに看護師に血糖を測定してもらう。
4。すぐにインスリン(insulin)を自己注射してもらう。
5。様子を見る。
認知症の理解(10問)
介護保険法における認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。地域住民と関わる機会は少ない。
2。家庭的な雰囲気によって、症状の安定が図られる。
3。1 ユニットの入所者は10 名までである。
4。機能訓練は行わない。
5。施設が決めた一律の日課によって、生活の維持が図られる。
失行に関する次の記述のうち、正しいものを1 つ選びなさい。
1。四肢が麻痺した状態である。
2。目的に沿った動作ができない状態である。
3。言葉を理解できない状態である。
4。気力や自発性が低下した状態である。
5。目の前のものが何であるかを、認識できない状態である。
うつ病(depression)に伴って認められる仮性認知症(pseudodementia)の特徴として、適切なものを1 つ選びなさい。
1。朝方に比べて夕方に悪くなることが多い。
2。本人が病識に乏しいことが多い。
3。記憶障害に比べて判断障害を認めることが多い。
4。症状が急速に進行することが多い。
5。食欲は保たれていることが多い。
軽度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)に認められる症状や日常生活上の障害として、最も可能性の高いものを1つ選びなさい。
1。小刻み歩行
2。嚥下障害
3。尿失禁
4。炊事の自立困難
5。入浴の自立困難
血管性認知症(vascular dementia)の症状や特徴に関する次の記述のうち、適切なものを1 つ選びなさい。
1。男性と比較して女性に多く認められる。
2。ゆっくりと少しずつ進行する。
3。人格変化を認めることが多い。
4。初期にめまいを自覚することがある。
5。85 歳以上で多く認められる。
若年性認知症(dementia with early onset)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。前期高齢者が発症する認知症(dementia)である。
2。後期高齢者の認知症(dementia)と比べて進行は緩やかである。
3。家族の心理的負担は少ない。
4。若年性認知症(dementia with early onset)に特化した社会的支援が充実している。
5。若年性アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type with earlyonset)では神経症状を認めることが多い。
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)の薬物療法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。病気の進行を完全に止めることができる。
2。軽度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)に対して有効ではない。
3。行動・心理症状(BPSD)に対して効果が認められていない。
4。病期によって投与量が変わることはない。
5。副作用として、パーキンソン症候群が現れることがある。
Cさん(80 歳、女性)は、軽度のアルツハイマー型認知症(dementia of theAlzheimer’s type)と診断され、訪問介護(ホームヘルプサービス)を受けて自宅で一人暮らしをしている。几帳面な性格で、大切な物はタンスの中にしまっている。最近物忘れが多くなってきた。
ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)が訪ねると、Cさんが、「泥棒に通帳を盗まれた」と興奮して訴えてきた。部屋はきれいな状態であった。
訪問介護員(ホームヘルパー)のCさんへの対応として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。保管場所を忘れたのだろうと伝える。
2。気分を変えるために話題を変える。
3。一緒に通帳を探すことを提案する。
4。認知症(dementia)が進んできたための症状であることを伝える。
5。通帳の保管場所を忘れないように保管場所に目印をつけてもらう。
認知症(dementia)の人の支援者の役割に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。民生委員は、担当地域の認知症(dementia)の人に関わる情報を収集して、専門的支援機関につなげる。
2。認知症(dementia)の人の主治医を、認知症(dementia)に関わる地域医療体制を構築する上での中核にする。
3。認知症看護認定看護師は、認知症(dementia)の種類と病期を特定して、必要な薬剤を処方する。
4。認知症サポート医が、認知症サポーター養成講座の講師を務めることとされている。
5。介護支援専門員(ケアマネジャー)は、担当する認知症(dementia)の人の要介護認定を行う。
認知症(dementia)の妻を介護している夫から、「死別した妻の父親と間違えられてつらい」と相談されたときの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。妻が間違えないようになることは難しいと説明して、諦めるように伝える。
2。間違いを訂正すればするほど、妻の反発や興奮を引き起こすことを説明する。
3。認知症(dementia)の人によくみられることで、他の家族も同じ思いであることを伝える。
4。間違えられるつらさをよく聴いて、誤認を否定せずに、いつもどおりの態度で接するように勧める。
5。夫がうつ状態であることの可能性を説明して、夫自身の精神科の受診を勧める。
障害の理解(10問)
Dさん(30 歳、女性)は、脳性麻痺(cerebral palsy)で下肢の運動機能障害があり、電動車いすを使用している。Dさんは、自己決定・自己責任による生活をしたいと考えて、一人暮らしを始めた。週に一度ピアカウンセリング(peercounseling)のボランティアをして、友人と一緒に趣味の映画鑑賞に出かけることを楽しみにしている。
Dさんに関する次の記述のうち、ICF(International Classification of Functioning、Disability and Health:国際生活機能分類)の「環境因子」に分類されるものとして、適切なものを1 つ選びなさい。
1。下肢の運動機能障害があること
2。電動車いすを使用していること
3。ボランティアをしていること
4。仲の良い友人がいること
5。映画鑑賞が趣味であること
老人性難聴(presbycusis)の特徴として、正しいものを1 つ選びなさい。
1。伝音性難聴に分類される。
2。高音域から始まる。
3。語音明瞭度は高くなる。
4。ウイルス感染で生じる。
5。症状は急激に進行する。
うつ病(depression)で活動性が低下している利用者への介護福祉職の対応として、適切なものを1 つ選びなさい。
1。にぎやかな場所に誘う。
2。自殺念慮を打ち明けられても、無関心でいる。
3。訴えに対して、受容的に接する。
4。話が途切れないように、次から次へと話しかける。
5。早く元気になるように、励ます。
広汎性発達障害(pervasive developmental disorder)の特性として、適切なものを1 つ選びなさい。
1。特定のものに対するこだわりが強い。
2。相手の意図を正確に読み取る。
3。幻覚や妄想が現れる。
4。麻痺性構音障害を生じる。
5。協調して作業することが得意である。
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)にみられる特徴的な障害として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。知的障害
2。呼吸障害
3。眼球運動障害
4。膀胱直腸障害
5。感覚障害
障害受容過程の「ショック期」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1。現実を実感することが難しい。
2。抑うつ反応を示す。
3。自らの努力が必要だと気づく。
4。他人に感情をぶつける。
5。障害を受け止めることができる。
下図の自助具を使用する疾患として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。パーキンソン病(Parkinson disease)
2。腰髄損傷(lumbar spinal cord injury)
3。関節リウマチ(rheumatoid arthritis)
4。糖尿病(diabetes mellitus)
5。クローン病(Crohn disease)
ホーエン・ヤール重症度分類でステージ3 にあるパーキンソン病(Parkinsondisease)の人の日常生活の留意点として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。履物はサンダルを使用する。
2。誤嚥に気をつける。
3。安静にして過ごす。
4。薬を飲み忘れた場合は、次に2 回分服用する。
5。食物繊維の多い食べ物は避ける。
リハビリテーションに関わる医療職の役割として、適切なものを1 つ選びなさい。
1。作業療法士は、日常生活動作訓練を行う。
2。義肢装具士は、立位訓練を行う。
3。理学療法士は、短下肢装具の製作を行う。
4。臨床検査技師は、失語症(aphasia)の評価を行う。
5。言語聴覚士は、心理的な問題について面接を行う。
Eさん(31歳、女性)は、Fちゃん(5歳)と二人暮らしである。自宅で仕事をしながら、重症心身障害のあるFちゃんを介護している。Fちゃんの食事は刻み食で、介助が必要である。昼も夜も2~3時間おきに痰の吸引を行わなければならない。Eさんの平均睡眠時間は4時間である。Eさんは、「眠れなくて疲れが取れない」と訴えている。
Eさんへの介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。痰の吸引の技術を高めるために講習を受ける。
2。障害基礎年金を申請する。
3。介護に専念するために仕事を辞める。
4。刻み食をやめて流動食にする。
5。レスパイトケア(respite care)を利用する。
医療的ケア(5問)
介護福祉士の業であって、医師の指示の下に行われる喀痰吸引等を規定した法律として、正しいものを1 つ選びなさい。
1。社会福祉士及び介護福祉士法
2。社会福祉法
3。介護保険法
4。医師法
5。保健師助産師看護師法
Hさん(90 歳、男性)は、介護老人福祉施設に入所中である。呼吸困難はない。ある日、Hさんがベッドに臥床しているときに、痰が口腔内にたまってきたので、介護福祉士は医師の指示どおりに痰の吸引を行うことにした。
このときのHさんの姿勢として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。頭部を肺よりも低くした姿勢
2。仰臥位で顎を引いた姿勢
3。腹臥位で頭部を横にした姿勢
4。ベッドに腰かけた姿勢
5。上半身を10~30 度挙上した姿勢
介護福祉士が鼻腔内の吸引を行うときに、吸引チューブを挿入できる範囲の限度として、正しいものを1 つ選びなさい。
1。A
2。B
3。C
4。D
5。E
経管栄養に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。栄養剤の栄養素は、胃から吸収される。
2。栄養剤の注入速度が速いと、下痢を起こすことがある。
3。経管栄養によって、口腔内の細菌は減少する。
4。経管栄養で、誤嚥を起こすことはない。
5。食道への栄養剤の逆流が生じることはない。
経鼻経管栄養を行っている利用者に対して、栄養剤を流す前に経鼻経管栄養チューブの確認をすると、固定テープがはずれて、鼻腔の入口付近でチューブが10 cm 抜けていた。
このときの介護福祉士の対応として、適切なものを1 つ選びなさい。
1。抜けた部分を元に戻す。
2。チューブを鼻から抜く。
3。胃内に挿入されているかどうかを、気泡音で確認する。
4。そのまま注入を開始する。
5。注入は行わずに、看護職に状況を報告する。
介護の基本(10問)
「福祉関係三審議会合同企画分科会」が提出した「今後の社会福祉のあり方について(意見具申)」(1989年(平成元年)3月)の内容で、介護保険法の理念・仕組み等につながる事項として、適切なものを1つ選びなさい。
1。社会福祉事業に対する規制強化
2。市町村の役割重視
3。施設福祉サービスの法定化
4。就労支援策の創設
5。福祉文化の創造
「高齢者虐待調査結果」に関する次の記述のうち、適切なものを1 つ選びなさい。
(注) 「高齢者虐待調査結果」とは、「2014 年度(平成26 年度)高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」(厚生労働省)のことである。
1。被虐待高齢者と虐待を行った養護者(虐待者)との同居・別居の状況は、「虐待者とのみ同居」が最も多い。
2。被虐待高齢者からみた虐待を行った養護者(虐待者)の続柄は、「夫」が最も多い。
3。被虐待高齢者と虐待を行った養護者(虐待者)の家族形態は、「子夫婦と同居」が最も多い。
4。養介護施設従事者等による虐待についての相談・通報者は、「家族・親族」が最も多い。
5。養介護施設従事者等による虐待の事実が認められた施設・事業所の種別は、「有料老人ホーム」が最も多い。
利用者の生活の質(QOL)を高めるための介護福祉職のあり方として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の維持・向上を最優先にする。
2。どの利用者に対しても同じ方法で介護する。
3。利用者の精神的側面は考慮しなくてもよい。
4。終末期の介護では、利用者の私物は早めに処分する。
5。利用者のニーズや生活環境を総合的にみて、介護の方針を検討する。
Fさん(80 歳、男性)は、パーキンソン病(Parkinson disease)である。不安定ではあるが、歩行ができる。振戦があり、長い時間座位を保つことが難しい。
Fさんに対する介護福祉職のリスクマネジメントとして、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。歩行を始めるときは、リズムをとれるように一声かける。
2。移動はいつも車いすを使い、ベルトで体を固定する。
3。お茶は湯飲みにたっぷり注いで出す。
4。浴槽につかっている間は、浴室から離れる。
5。いすから立ち上がるときは、顎を前に出して、体幹を伸展させる。
リハビリテーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。障害が固定してから開始する訓練のことである。
2。福祉用具を使用せずに、身体的自立を目指すことである。
3。リハビリテーションには、名誉の回復の意味がある。
4。レクリエーションとリハビリテーションは、対極の概念である。
5。施設サービスに限定されている。
災害時、避難所での高齢者への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。疲労防止のために、日中も臥床して過ごすように勧める。
2。避難所内の調和を乱さないように、「個」よりも「全体」に配慮する。
3。杖で歩行している人も、避難所内では車いすを使ってもらう。
4。トイレの数が確保できないので、水分を控えるように助言する。
5。深部静脈血栓症(deep vein thrombosis)(いわゆるエコノミークラス症候群)の 予防のために、運動をすることを勧める。
ユニット型指定地域密着型介護老人福祉施設に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。家族や友人などが、気軽に宿泊できるように配慮する。
2。昼間は、2ユニットごとに常勤1 名の介護職員を配置する。
3。食事は、施設が決めた時間内に食べ終わるように介護する。
4。利用者数は、災害などの事情があっても、定員数以内とする。
5。多様な娯楽設備を備えて、外出しなくても施設内で生活を完結できるようにする。
指定認知症対応型通所介護のサービスに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。利用者は、65 歳以上で認知症(dementia)のあるものに限られる。
2。家族が送迎を行うことが原則である。
3。認知症対応型通所介護計画は、精神科医が作成する。
4。利用者は、原則として事業所のある市町村の住民である。
5。サービス提供時間は、 8 時間を上限とする。
「身体拘束ゼロへの手引き」(2001 年(平成13 年)厚生労働省)の身体拘束の内容に関する次の記述のうち、適切なものを1 つ選びなさい。
1。自分で降りられないように、ベッドの四方を柵で囲むことは、禁止行為とされている。
2。切迫性と非代替性と永続性の3 つの要件を満たせば、身体拘束は認められる。
3。本人の同意なく、やむを得ずおむつを着用させることは、禁止行為とされている。
4。事前に利用者や家族に説明があれば、実際に身体拘束を行うときの説明手続きは省略できる。
5。やむを得ず身体拘束をした場合は、そのたびに保険者に報告する義務がある。
介護福祉職の腰痛予防に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。介護中の姿勢は中腰を基本とする。
2。1 年ごとに定期健診を受ける。
3。勤務時間内は、全員が一律にコルセットを着用する。
4。静的ストレッチングが効果的である。
5。移乗や移動の支援は、利用者を抱えて行う。
コミュニケーション技術(6問)
重度の失語症(aphasia)のある人とのコミュニケーションの方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。五十音表を見せて、指でさしてもらう。
2。口を大きく開けて、声を出すように促す。
3。重度障害者用意思伝達装置を使う。
4。単語をひらがなで書いてもらう。
5。いくつかの絵の中から選んで、指でさしてもらう。
中程度の老人性難聴(presbycusis)のある人とのコミュニケーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。補聴器には短期間で慣れると説明する。
2。認知症(dementia)がある場合は、補聴器の使用を避ける。
3。話し手の口元に注目するように促す。
4。耳元で、できるだけ大きな声で話す。
5。後ろから近づいて、静かに話しかける。
介護記録をもとにまとめた事例を、地域での多職種による事例検討会で報告する場合の個人情報の取扱いとして、適切なものを1つ選びなさい。
1。家族情報は匿名化しない。
2。利用者の音声や映像は同意なしに使用できる。
3。利用者の氏名や住所は匿名化する。
4。介護記録のデータは匿名化せずに、電子メールで送受信する。
5。介護記録のデータを保存するときは、誰でも修正ができるようにパスワードは使用しない。
ヒヤリ・ハット報告書に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。口頭で報告したことは、報告書に記載しなくてもよい。
2。報告者の責任を追及することを目的とする。
3。介護事故の状況を報告する。
4。管理者以外の職員の目にふれないように保管する。
5。事故報告書とは分けて記載する。
Jさん(78 歳、女性)は、軽度の認知症(dementia)がある。K訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問した時、Jさんは、K訪問介護員(ホームヘルパー)が前日に準備した夕食を食べていなかった。
Jさんは、不安そうな表情で昨日から食卓にある料理を指さして、「これは私が食べていいの?」「これは誰のもの?」と、K訪問介護員(ホームヘルパー)に尋ねてきた。冷蔵庫の中のお茶を飲んでいただけで、他には何も食べていない様子だった。
食卓にある料理はJさんのものだと説明した後、Jさんに対するK訪問介護員(ホームヘルパー)の声かけとして、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。「なぜ食べなかったのですか」
2。「食べなければだめですよ」
3。「無理してでも食べてください」
4。「一緒に作って食べましょう」
5。「1日に3食は食べましょう」
Jさん(78 歳、女性)は、軽度の認知症(dementia)がある。K訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問した時、Jさんは、K訪問介護員(ホームヘルパー)が前日に準備した夕食を食べていなかった。
Jさんは、不安そうな表情で昨日から食卓にある料理を指さして、「これは私が食べていいの?」「これは誰のもの?」と、K訪問介護員(ホームヘルパー)に尋ねてきた。冷蔵庫の中のお茶を飲んでいただけで、他には何も食べていない様子だった。
Jさんについてのケアカンファレンス(care conference)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。K訪問介護員(ホームヘルパー)はJさんに対する自分の感想を発言した。
2。K訪問介護員(ホームヘルパー)は支援状況を報告して、参加者に意見を求めた。
3。施設入所の時期について話し合った。
4。支援する関係者が全員参加したので、議事録は作成しなかった。
5。途中退席した参加者には、口頭で結果を伝えた。
生活支援技術(26問)
自立支援の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。対象者は、介護保険の要介護3以上の人に限られること
2。対象者は、意思表示のできる人に限られること
3。ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)を回復すること
4。経済的自立を目指すこと
5。自己選択・自己決定を支援すること
屋内での転倒を防ぐための安全対策として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。夜間目覚めたときにつける照明は、光源が直接見えるようにする。
2。コード類は動線上に這わせる。
3。玄関マットやバスマットは滑り止めのついたものを使う。
4。本人の室内の移動を減らす。
5。履物はスリッパにする。
片麻痺で立位歩行が可能な人が、洋式便器から立ち上がるときに利用する手すりとして、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。便器の先端から20~30 cm 後方の、健側がわの壁に設置された縦手すり
2。便器の先端から20~30 cm 前方の、健側がわの壁に設置された縦手すり
3。便器の先端から20~30 cm 後方の、患側がわの壁に設置された縦手すり
4。便器の先端から20~30 cm 前方の、患側がわの壁に設置された縦手すり
5。便器周囲に設置された肘かけ状の簡易手すり
図は、扉を閉めた部屋の窓の位置を表している。効果的な換気を行うために開ける窓として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
(注) 窓の大きさや高さはすべて同じものである。天井の高さは同じである。家具は何もない。周囲に建物はない。
1。Aだけ開ける。
2。BとCを開ける。
3。Eだけ開ける。
4。AとDを開ける。
5。AとEを開ける。
介護福祉職が行う爪切りに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。爪は十分に乾燥させてから切る。
2。周囲の皮膚に腫れや傷がある場合は、少しずつ切る。
3。手の爪は、手首を持って動かないようにして切る。
4。爪の先端の白い部分を1mm ぐらい残して切る。
5。爪やすりは、中央から端に向かってかける。
義歯の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。上顎用の総義歯は、義歯の後方を下げるようにしてはずす。
2。水を入れた専用のボールの中でブラッシングする。
3。ブラッシングするときは、柔らかめの歯ブラシを用いる。
4。保管容器に、義歯の半分がつかる程度の水を入れて保管する。
5。総義歯を装着するときは、回転させずにまっすぐ口腔内に入れる。
L さん(86 歳、 女性)は、 アルツハイマー型認知症(dementia of theAlzheimer’s type)があり、通所介護(デイサービス)に通っている。最近、季節外れの服を着ていることが多くなった。夏のある日、通所介護(デイサービス)の介護福祉職が迎えに行くと、厚手の上着を着て汗をかきながら玄関で待っていた。
介護福祉職のLさんへの対応として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。「車を待たせているので早く着替えましょう」と、着替えを促す。
2。鏡を見せて、間違いを指摘する。
3。「今は夏ですよ」と、季節を伝える。
4。服装にはふれず、そのまま本人の行動を尊重する。
5。「汗をかいていますね。上着を脱ぎませんか」と、働きかける。
実行機能障害のある利用者への更衣の介護として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。季節に合う衣類を介護福祉職が選ぶ。
2。利用者の好みよりも機能性を重視する。
3。必要な衣類をまとめて渡す。
4。隣で、洋服を着る動作を示す。
5。着る順番を紙に書いて渡す。
頸髄損傷(cervical cord injury)(第6頸髄節まで機能残存)の利用者が自分で更衣できるようにするための介護福祉職の助言として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。かぶりの衣類より、前あきの衣類を勧める。
2。ズボンの更衣は座位で行うように勧める。
3。ファスナーはボタンに変えるように勧める。
4。靴下にループをつけるように勧める。
5。上衣の着脱は仰臥位で行うように勧める。
Mさん(89 歳、女性)は、加齢に伴う両下肢の筋力低下がある。立位保持ができなくて、日中ベッドで臥床して過ごすことが多い。ベッドから車いすへの移乗は一部介助が必要であるが、車いすは自分で操作できる。
Mさんの上肢を活用した移乗介護に使用する福祉用具として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。スライディングボード
2。スライディングシート(マット)
3。回転移動盤
4。介助型車いす
5。移動用リフト
右片麻痺の利用者を仰臥位から左側臥位にする場合の体位変換の方法として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。左側へ水平に移動する。
2。両上肢は体幹に沿わせて置く。
3。両下肢は伸ばす。
4。枕を左側に寄せる。
5。肩と膝を同時に倒す。
ロフストランドクラッチ(Lofstrand crutch)の握りの高さを決める身体部位の位置として、正しいものを1 つ選びなさい。
1。臍部
2。腋窩部
3。大転子部
4。肘関節部
5。腸骨部
左片麻痺で杖を使用している利用者の階段昇降時の介護として、正しいものを1 つ選びなさい。
1。上がるときは、患側の足から出すように促す。
2。上がるときは、利用者の左後方に立つ。
3。健側の上肢を支える。
4。下りるときは、健側の足から出すように促す。
5。下りるときは、利用者の右後方に立つ。
要介護度が高く、日中もベッド上で過ごしている利用者の廃用症候群(disuse syndrome)の予防として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。安静を保ち臥位で過ごしてもらう。
2。4時間ごとに体位変換を行う。
3。ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)は全介助で行う。
4。個別レクリエーションを取り入れる。
5。一人で過ごせる環境をつくる。
加齢に伴う身体機能の変化に対応した食事として、適切なものを1 つ選びなさい。
1。味覚の低下に対しては、塩分や糖分を多く用いる。
2。消化吸収機能の低下に対しては、炭水化物を中心とした食事を基本とする。
3。唾液分泌の低下に対しては、パンを主食にする。
4。咀嚼力の低下に対しては、肉料理を控える。
5。腸の蠕動運動の低下に対しては、乳酸菌を含む食品を積極的に取り入れる。
生活習慣病(life-style related disease)の予防に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。糖尿病(diabetes mellitus)の予防として、たんぱく質の摂取量を増やす。
2。高血圧症(hypertension)の予防として、カリウム(K)の少ない食品を摂取する。
3。高コレステロール血症(hypercholesterolemia)の予防として、食物繊維を多く含む食品を摂取する。
4。骨粗鬆症(osteoporosis)の予防として、ビタミンK(vitamin K)の少ない食品を摂取する。
5。虚血性心疾患(ischemic heart disease)の予防として、起床後すぐの水分摂取は控える。
入浴介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。入浴前の血圧が平常時より高くても、自覚症状がなければ入浴を勧める。
2。プライバシーを保護するために、皮膚の観察はしない。
3。湯温は、介護福祉職が直接肌で触れて確認する。
4。浴槽への出入りにシャワーチェアーを用いるときは、浴槽より低い位置に調整する。
5。片麻痺の利用者の場合は、麻痺側から浴槽に入る。
Aさんは、寝たきり状態の夫を家で介護している。Aさんは、尿器を使って排泄介助を行っている。Aさんの夜間の介護負担を軽くするものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。差し込み便器
2。自動排泄処理装置
3。ポータブルトイレ
4。おむつ
5。肘かけ状の簡易手すり
腸管出血性大腸菌で下痢が続いている利用者のおむつ交換をするときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。汚れたおむつをビニール袋に入れて、袋の口を固く縛る。
2。汚れたシーツには、アルコールを噴霧する。
3。手洗いは、洗面器にためた水で行う。
4。臀部の汚れは、トイレットペーパーで拭けばよい。
5。専用の手袋を繰り返して使用する。
弛緩性便秘の利用者に提供する食べ物として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。ごぼうの煮物
2。白身魚の煮つけ
3。おかゆ
4。ゆで卵
5。焼き肉
Bさん(78歳、女性)は要支援2で、一人暮らしである。変形性膝関節症(knee osteoarthritis)が進んで、歩行に時間がかかるようになった。Bさんは調理が好きで、時間がかかっても近所の商店街に歩いて出かけて自分で食材を選んで作りたいと考えている。それを知った別居の長男は、Bさんの買物に行く負担を軽くする方法はないかと考えて、地域包括支援センターに相談した。
Bさんがこれからも買物や調理を継続していくための助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。買物代行サービスの利用を勧める。
2。ネットスーパーの利用を勧める。
3。電動車いすの利用を勧める。
4。シルバーカーの利用を勧める。
5。台所を車いす対応にリフォームすることを勧める。
1か月の実収入が12万円の高齢者世帯で、消費支出が14万円、非消費支出が2万円の場合、可処分所得として、正しいものを1つ選びなさい。
1。8 万円
2。10 万円
3。12 万円
4。14 万円
5。16 万円
和食の基本的な配膳の位置として、正しいものを1つ選びなさい。
(注)右利きの場合である。
1。A汁物 B副菜 C副菜 D主菜
2。A主菜 B汁物 C副菜 D副菜
3。A主菜 B副菜 C副菜 D汁物
4。A副菜 B副菜 C主菜 D汁物
5。A副菜 B主菜 C副菜 D汁物
安眠を促す生活習慣に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。就寝直前に入浴する。
2。夜食をとる。
3。就寝前に、軽いストレッチを行う。
4。就寝前に、温かいコーヒーや紅茶を飲む。
5。多量に飲酒する。
概日リズム(サーカディアンリズム(circadian rhythm))を回復させるための介護福祉職の関わりとして、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。早朝に、高強度運動を行うように勧める。
2。起床後はカーテンを開けて、日光を浴びるように勧める。
3。夕食に、トリプトファン(tryptophan)を含む食事を提供する。
4。就寝前に、テレビを見たり、パソコンを使ったりすることを勧める。
5。平日の睡眠時間が短いときには、休日の「寝だめ」を勧める。
終末期ケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。家族の悲嘆に対するケアは、終末期ケアとともに行う。
2。緩和ケアとは、身体的苦痛を取り除くことである。
3。口腔ケアは控える。
4。看取りの場を決めるのは、医師である。
5。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)利用者の終末期ケアは、病院で行う。
介護過程(8問)
介護過程におけるアセスメント(assessment)の目的として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。より多くの情報の収集
2。介護福祉職の技能の向上
3。生活課題の明確化
4。ICF(International Classification of Functioning、 Disability and Health:国際生活機能分類)の視点による情報の分類
5。1 つの場面に焦点を当てた観察
介護計画の目標設定に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。アセスメント(assessment)と切り離して考える。
2。利用者と話し合いながらつくる。
3。ケアプランとの整合性は確認しなくてよい。
4。家族が望む生活を長期目標にする。
5。目標を記述するときの主語は介護福祉職にする。
Cさんはアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)で、介護老人福祉施設に入所している。仲の良かったDさんが、1週間前に経済的な理由で別の階の多床室に移動した。Cさんは、寂しそうな表情で廊下を歩き回り、Dさんを探しながら、他の利用者の部屋に入っていく。Dさんも「Cさんに会いたい」と介護福祉職に話している。
Cさんの生活課題として、最も優先すべきものを1 つ選びなさい。
1。Dさんの居室移動を理解すること
2。廊下を自由に歩き回れるようになること
3。新しい友人をつくること
4。自分の部屋で落ち着いて過ごせること
5。Dさんとの交友関係を保てること
介護過程における主観的情報に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
(不適切問題となったため、問題改訂。)
1。疾病に関する主治医の意見
2。家族から聞いた利用者の生活歴
3。介護福祉職が感じたこと
4。利用者の発言
5。認知機能検査の得点
介護実践のプロセスをSOAP方式で記録する場合、Pに該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1。利用者の生活全般のニーズ
2。介護福祉職が判断したこと
3。実施に対する利用者の反応
4。介護福祉職が観察したこと
5。介護福祉職が行う今後の介護計画
介護計画の修正を行うことを利用者に説明した。利用者の同意が得られた後に、介護福祉職間で共通認識をもつために行うこととして、適切なものを1つ選びなさい。
1。インフォームドコンセント(informed consent)
2。スクリーニング(screening)
3。モニタリング(monitoring)
4。カンファレンス(conference)
5。インテーク(intake)
Eさん(67歳、女性、要介護3)は、1年前、くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage)で倒れて、左片麻痺、体幹機能の低下が残った。排泄訓練を目的として介護老人保健施設に入所した。
入所時のEさんは、不自由でも、右手でベッド柵を掴んで起き上がることやベッドの端に座ることはできたが、立位保持はできなかった。おむつを着用しているが、「おむつは嫌」と自分の気持ちを訴えていた。医師は着脱と拭く行為には介助が必要だが、車いすから便座に移ることは可能であると判断した。F介護福祉職はアセスメント(assessment)を行い、本人の思いを考慮して介護計画の短期目標を、「車いすから便座に移り排泄する」と設定して、評価日は1か月後とした。理学療法士と連携して、トイレで移乗のための立位訓練を始めた。
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)に基いて情報を分類する場合、Eさんの「能力」(できる活動)に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1。右手でベッド柵を握る動作
2。 ベッド上での座位の保持
3。手すりを使っての立位の保持
4。「おむつは嫌」という気持ちの表出
5。車いすから便座への移乗
Eさん(67歳、女性、要介護3)は、1年前、くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage)で倒れて、左片麻痺、体幹機能の低下が残った。排泄訓練を目的として介護老人保健施設に入所した。
入所時のEさんは、不自由でも、右手でベッド柵を掴んで起き上がることやベッドの端に座ることはできたが、立位保持はできなかった。おむつを着用しているが、「おむつは嫌」と自分の気持ちを訴えていた。医師は着脱と拭く行為には介助が必要だが、車いすから便座に移ることは可能であると判断した。F介護福祉職はアセスメント(assessment)を行い、本人の思いを考慮して介護計画の短期目標を、「車いすから便座に移り排泄する」と設定して、評価日は1か月後とした。理学療法士と連携して、トイレで移乗のための立位訓練を始めた。
2週間が過ぎた頃、思うような成果が出なくて、Eさんは嫌気がさしてきた。複数の介護福祉職からEさんの訓練拒否が報告されるようになった。F介護福祉職がEさんに理由を尋ねると、「あまり人の世話になりたくない。みんなに迷惑がかかるのでおむつのままでいいわ」と言った。
Eさんのニーズとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。移乗訓練をやめること
2。トイレで排泄ができること
3。左片麻痺をなくすこと
4。おむつに戻すこと
5。早く家に帰ること
総合問題(12問)
Jさん(80 歳、男性、要介護2)は、2年前に脳梗塞(cerebral infarction)を起こして、左片麻痺になった。Jさんは、自宅で妻(80 歳)と過ごしたいと訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して、二人で暮らしていた。
Jさんは、数か月前に肺炎(pneumonia)を起こして入院した。炎症症状は消失したが、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を保菌した状態で退院した。
退院後のJさんは、なんとか立位がとれる状態である。排泄は、ポータブルトイレを利用して、妻が介助している。尿意はあり、1日の尿の回数も正常である。しかし、日が経つにつれて、妻には日に何回も行う立ち上がりや、ズボンや下着の上げ下ろしの介助は負担になり、時間がかかってJさんが失禁してしまうことも増えてきた。
妻は、JさんがMRSAの保菌者であることを気にしていた。
妻が日常生活で留意する点として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。Jさんの食器は別にして洗浄する。
2。手洗いと手指の消毒を行う。
3。介助するときは、使い捨ての予防着を着用する。
4。Jさんの衣類は別にして洗濯する。
5。ポータブルトイレは、10%の次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒する。
Jさん(80 歳、男性、要介護2)は、2年前に脳梗塞(cerebral infarction)を起こして、左片麻痺になった。Jさんは、自宅で妻(80 歳)と過ごしたいと訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して、二人で暮らしていた。
Jさんは、数か月前に肺炎(pneumonia)を起こして入院した。炎症症状は消失したが、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を保菌した状態で退院した。
退院後のJさんは、なんとか立位がとれる状態である。排泄は、ポータブルトイレを利用して、妻が介助している。尿意はあり、1日の尿の回数も正常である。しかし、日が経つにつれて、妻には日に何回も行う立ち上がりや、ズボンや下着の上げ下ろしの介助は負担になり、時間がかかってJさんが失禁してしまうことも増えてきた。
Jさんに該当する排尿障害として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。溢流性尿失禁
2。腹圧性尿失禁
3。反射性尿失禁
4。切迫性尿失禁
5。機能性尿失禁
Jさん(80 歳、男性、要介護2)は、2年前に脳梗塞(cerebral infarction)を起こして、左片麻痺になった。Jさんは、自宅で妻(80 歳)と過ごしたいと訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して、二人で暮らしていた。
Jさんは、数か月前に肺炎(pneumonia)を起こして入院した。炎症症状は消失したが、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を保菌した状態で退院した。
退院後のJさんは、なんとか立位がとれる状態である。排泄は、ポータブルトイレを利用して、妻が介助している。尿意はあり、1日の尿の回数も正常である。しかし、日が経つにつれて、妻には日に何回も行う立ち上がりや、ズボンや下着の上げ下ろしの介助は負担になり、時間がかかってJさんが失禁してしまうことも増えてきた。
妻の介護負担は増してきている。妻は自分も高齢なことから、介助ができなくなったときにどうすればいいのか心配になってきた。通ったり、泊まれたり、自分の体調不良時にも自宅を訪問してくれるサービスを利用したいと考えている。
妻の希望に沿ったサービスとして、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。通所介護(デイサービス)
2。短期入所療養介護
3。小規模多機能型居宅介護
4。地域密着型特定施設入居者生活介護
5。地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
Kさん(88 歳、男性)は、妻(82 歳)と二人暮らしであった。5年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。1年ほど前から、会話がかみ合わなくなった。離れて暮らす一人息子のこともわからなくなり、「会社に行く」と外出して行方不明になることがあった。そのため、自宅での介護が困難で、半年前に認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居した。
入居時は表情が険しく精神的に不安定で徘徊がたびたびみられた。しかし、事業所内で取り組んでいた回想法に参加すると、徘徊はみられなくなってきた。
ある日の午後、「痛い、痛い」と繰り返しながら足を叩いて、床に座り込む様子が見られた。
Kさんが痛みを訴えて床に座り込んだ時点で、介護福祉職がとる対応として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。いつからどのように痛いのか、詳しく質問する。
2。全身の状態を観察する。
3。嘔気の有無を質問する。
4。叩いている部位に湿布を貼る。
5。ベッド上で安静にしてもらう。
Kさん(88 歳、男性)は、妻(82 歳)と二人暮らしであった。5年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。1年ほど前から、会話がかみ合わなくなった。離れて暮らす一人息子のこともわからなくなり、「会社に行く」と外出して行方不明になることがあった。そのため、自宅での介護が困難で、半年前に認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居した。
入居時は表情が険しく精神的に不安定で徘徊がたびたびみられた。しかし、事業所内で取り組んでいた回想法に参加すると、徘徊はみられなくなってきた。
ある日の午後、「痛い、痛い」と繰り返しながら足を叩いて、床に座り込む様子が見られた。
Kさんが痛みを訴えてから数日後の入浴時に、Kさんの右頸部から背部にかけて帯状の水疱を伴う発赤疹が確認された。病院を受診すると、 帯状疱疹(herpes zoster)と診断された。
介護福祉職がKさんのからだの清潔を保つための方法として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。冷たい水で清拭をする。
2。乾布清拭をする。
3。ぬるめのお湯でシャワー浴をする。
4。熱めのお湯で入浴をする。
5。アルコールで清拭をする。
Kさん(88 歳、男性)は、妻(82 歳)と二人暮らしであった。5年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。1年ほど前から、会話がかみ合わなくなった。離れて暮らす一人息子のこともわからなくなり、「会社に行く」と外出して行方不明になることがあった。そのため、自宅での介護が困難で、半年前に認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居した。
入居時は表情が険しく精神的に不安定で徘徊がたびたびみられた。しかし、事業所内で取り組んでいた回想法に参加すると、徘徊はみられなくなってきた。
ある日の午後、「痛い、痛い」と繰り返しながら足を叩いて、床に座り込む様子が見られた。
病院を受診した日の夜中にKさんが、「仕事に行かないと怒られる」と興奮した口調で部屋から出てきた。介護福祉職がKさんの不安な思いを受け止めると、入眠した。しかし、30 分後に再び、「会社に行く」と興奮する様子が見られた。
興奮しているKさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1。会社は休みだと言う。
2。早く寝るようにと言う。
3。怒られることはないと言う。
4。仕事をしていた時の話をする。
5。息子の話をする。
Lさん(25歳、男性、障害支援区分5)は、大学2年生の時、交通事故が原因で頸髄損傷(cervical cord injury)となった。現在は毎日、居宅介護を利用しながら、母親と生活している。
Lさんは四肢麻痺のため自分で体を動かすことができずに、多くの時間をベッドで過ごしている。リクライニング式車いすに移乗するときは、移乗リフトを使用している。Lさんは、母親の腰痛が悪化していることを知っているので、母親に介助を頼むことを遠慮している。そのため、介護福祉職が来たときに、リクライニング式車いすに乗せてもらっている。Lさんは車いすで座位になると、たびたび起立性低血圧で気分が悪くなる。
日中はマウススティックを使用して、パソコンで友人とメールのやり取りを楽しんでいる。最近はパソコン教室に週1回は通いたいと考えて、「長時間の外出時の移動の介護をお願いしたいがどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
Lさんの現在の生活状況から、今後、発症する可能性が高いものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。てんかん(epilepsy)
2。仮面様顔貌
3。構音障害
4。安静時振戦
5。褥瘡
Lさん(25歳、男性、障害支援区分5)は、大学2年生の時、交通事故が原因で頸髄損傷(cervical cord injury)となった。現在は毎日、居宅介護を利用しながら、母親と生活している。
Lさんは四肢麻痺のため自分で体を動かすことができずに、多くの時間をベッドで過ごしている。リクライニング式車いすに移乗するときは、移乗リフトを使用している。Lさんは、母親の腰痛が悪化していることを知っているので、母親に介助を頼むことを遠慮している。そのため、介護福祉職が来たときに、リクライニング式車いすに乗せてもらっている。Lさんは車いすで座位になると、たびたび起立性低血圧で気分が悪くなる。
日中はマウススティックを使用して、パソコンで友人とメールのやり取りを楽しんでいる。最近はパソコン教室に週1回は通いたいと考えて、「長時間の外出時の移動の介護をお願いしたいがどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
Lさんがリクライニング式車いすで起立性低血圧を起こしたときの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。背もたれを倒す。
2。頭部を冷やす。
3。体温を測る。
4。衣服を調節する。
5。ベッドへ移乗する。
Lさん(25歳、男性、障害支援区分5)は、大学2年生の時、交通事故が原因で頸髄損傷(cervical cord injury)となった。現在は毎日、居宅介護を利用しながら、母親と生活している。
Lさんは四肢麻痺のため自分で体を動かすことができずに、多くの時間をベッドで過ごしている。リクライニング式車いすに移乗するときは、移乗リフトを使用している。Lさんは、母親の腰痛が悪化していることを知っているので、母親に介助を頼むことを遠慮している。そのため、介護福祉職が来たときに、リクライニング式車いすに乗せてもらっている。Lさんは車いすで座位になると、たびたび起立性低血圧で気分が悪くなる。
日中はマウススティックを使用して、パソコンで友人とメールのやり取りを楽しんでいる。最近はパソコン教室に週1回は通いたいと考えて、「長時間の外出時の移動の介護をお願いしたいがどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
介護福祉職は、Lさんがパソコン教室に通うことができるように、相談支援専門員にサービス等利用計画の変更を相談したいと考えている。
Lさんが利用できるサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。同行援護
2。行動援護
3。重度訪問介護
4。自立訓練事業
5。成年後見制度利用支援事業
Mさん(19歳、男性)は、染色体の異常による疾患で知的障害がある。特別支援学校の卒業後、自立した生活を目指して、両親から離れて、共同生活援助(グループホーム)を利用している。日中は、一定期間(おおむね24か月を標準とする)必要な訓練を受けることのできる日中活動のサービスを利用して、生産活動の訓練、職場体験の機会の提供などを受けている。
Mさんは、毎朝、このグループホームから駅まで歩いて、電車で日中活動の場所まで通っている。Mさんは、楽しそうに生き生きと訓練に励んでいる。
Mさんの知的障害の起因疾患として、正しいものを1つ選びなさい。
1。脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)
2。脳出血(cerebral hemorrhage)
3。筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)
4。ダウン症候群(Down’s syndrome)
5。脊柱管狭窄症(spinal stenosis)
Mさん(19歳、男性)は、染色体の異常による疾患で知的障害がある。特別支援学校の卒業後、自立した生活を目指して、両親から離れて、共同生活援助(グループホーム)を利用している。日中は、一定期間(おおむね24か月を標準とする)必要な訓練を受けることのできる日中活動のサービスを利用して、生産活動の訓練、職場体験の機会の提供などを受けている。
Mさんは、毎朝、このグループホームから駅まで歩いて、電車で日中活動の場所まで通っている。Mさんは、楽しそうに生き生きと訓練に励んでいる。
Mさんが利用している日中活動のサービスとして、正しいものを1つ選びなさい。
1。就労移行支援
2。自立訓練(生活訓練)
3。就労継続支援A型(雇用型)
4。就労継続支援B型(非雇用型)
5。地域移行支援
Mさん(19歳、男性)は、染色体の異常による疾患で知的障害がある。特別支援学校の卒業後、自立した生活を目指して、両親から離れて、共同生活援助(グループホーム)を利用している。日中は、一定期間(おおむね24か月を標準とする)必要な訓練を受けることのできる日中活動のサービスを利用して、生産活動の訓練、職場体験の機会の提供などを受けている。
Mさんは、毎朝、このグループホームから駅まで歩いて、電車で日中活動の場所まで通っている。Mさんは、楽しそうに生き生きと訓練に励んでいる。
ある朝、介護福祉士であるA世話人がMさんの部屋をのぞくと、グループホームを出る時間を過ぎていたが、まだ寝ていた。「今日は行かないの」と尋ねると、「日中活動がつまらないから行かない」と言いながら、布団をかぶってしまった。
A世話人のMさんへの対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1。両親に連絡して、日中活動に行くように話してもらう。
2。日中活動の楽しさについて話し合う。
3。日中活動の重要性について話し合う。
4。日中活動がつまらないと思う理由について話し合う。
5。気分転換に映画を見に行くことを勧める。